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【連載】汎用性の高い被覆材を院内で統一することで効果的なスキンテア管理を実現する

第3回 スキンテアの予防法は?

取材 船木 智子(ふなき ともこ)

JCHO東京新宿メディカルセンター看護ケア推進室 皮膚・排泄ケア認定看護師

超高齢社会に伴い増加する高齢な患者への看護。高齢者の皮膚は、さまざまな理由から脆弱化し、些細なずれや摩擦によって、スキンテアを起こしやすい状態にあります。しかし、スキンテアの予防や処置の方法をしっかりと確立できている施設は、まだ多くはありません。そこで、スキンテアを予防する方法や、またスキンテアの悪化を防ぐための創傷管理方法について紹介します。


スキンテアの予防3つのポイント

1.保湿

とくに高齢者には1 日2 回以上の保湿が、スキンテアの予防に有効であるとされている。

2.四肢の保護

レッグウォーマー、ストッキネット、チューブ包帯などを用いて、四肢の皮膚の保護に努める。

スキンテアリスクが高い皮下出血斑は、シリコン製の創傷被覆材で保護する。

3.周囲の保護

ベッド柵などは軟らかいカバーなどで保護を行い、脆弱化・菲薄化した皮膚が触れても刺激が少ない状態に努める。

まずはスキンテアのリスクを減らし予防に努めることが大切

医療安全の観点からスキンテアを考えた場合、「入院中のスキンテアは患者さんの身体を傷つけることであり、できるかぎり予防しなければいけないこと」と船木さんは言います。

「高齢者などハイリスクの患者さんが多いため、すべてのケースを予防するのは難しいですが、なるべくスキンテアのリスクを減らすことが大切だと考えています」

 同院では、四肢の保護のためにレッグウォーマーやストッキネット、チューブ包帯などを用いているほか、ベッド柵も柵用カバーなどで保護しています。さらにテープを貼るときは粘着力の優しいシリコンテープを使ったり、剥がす際は剥離剤を使うなどさまざまな方法でスキンテアの予防に努めています。

「なかでもとくに重要なのは “保湿”です。当院では原則として、高齢者には1日2回以上の保湿をケアのなかに組み込んでいます。これも、日本創傷・オストミー・失禁管理学会により推奨されています」

船木さんは、創傷ケアにとって大切な看護の視点をこう話します。

「創は一刻も早く治癒に導くべきもの。創部から感染してしまうとデブリードメントが必要になるなど、治癒にも時間がかかってしまい、患者さんも長い期間、苦痛にさらされます。不適切な処置で創を拡大させたり悪化させたりしないよう、できるだけ適切な初期対応が必要になります」

だからこそ大切になる第一選択のドレッシング材の見極め。皮膚・排泄ケア認定看護師としての船木さんの取り組みはこれからも続きます。

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