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【連載】“何かヘンだ”がわかる! 急変前に気づく五感アセスメント

第4回 急変時に生き残るために抵抗する身体「生き残りシステム」を理解する!③

解説 佐仲 雅樹(さなか まさき)

津田沼中央総合病院内科/東邦大学医療センター大森病院総合診療・救急医学講座 客員講師/城西国際大学薬学部 客員教授

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はっきりとした予兆もなく、患者さんが急変したり、重篤な疾患が進行していたりする経験があると思います。そのような急変に先立って、先輩の看護師や医師から「あの患者、何かヘンだよね」という直感的な台詞を聞いたことがあるかもしれません。

この連載では、急変前の「何かヘン」と感じる患者への直感的な違和感について解説し、急変を見抜く力を養います。


「危険なサイン」と“お決まりの抵抗手段

急変のプロセスにおける重要な病態を覚えていますか(第1回参照)?

それは敗血症(感染症による全身性炎症反応症候群)と代償性ショック(血圧低下のないショック)でしたね。敗血症は急変「二歩前」で、代償性ショックとは急変「一歩前」です。

ショックや敗血症の判断基準をみてみましょう(表1,2)。

表1 ショックの判断基準

ショックの判断基準表
(日本救急医学会の基準を参考に一部変更して作成)


表2 全身性炎症反応症候群(SIRS)の診断基準
全身性炎症反応症候群(SIRS)の診断基準表



以上の4つのクライテリアのうち、2つ以上を満たす場合に、SIRSと診断される。

いずれも血液検査や画像検査を行うことなく、バイタルサインや自律神経反応で判断されていることがわかるでしょう。

しかし、判断基準は「言葉のサイン」の寄せ集めに過ぎません。

「リアル」な視点からいえば、バイタルサインや自律神経反応とは、“お決まりの抵抗手段”が身体の「外」に現れたものです。患者さんが自身の「生き残りシステム」で、「全体」となって生命の危機に抵抗しているというふうにみれば、「危険なサイン」が私たちにリアルに迫ってきます。 言葉のサイン説明図](https://d9dsub0ijw2ii.cloudfront.net/uploads/image/image/7411/NP220299fig3.jpg)

次回以降は数回にわたって、“お決まりの抵抗手段”と血液環境の「窓」について解説します。