【連載】ナースのための社会人マナー

【看護師のマナー】第28回 5W1Hを押さえて簡潔な報告を

監修 竹股喜代子

亀田総合病院 前看護部長

編集 ナース専科編集部

月刊「ナース専科」編集部

新人ナースのための社会人マナーブック。今回は「5W1Hを押さえて簡潔な報告を」をお話します。


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看護師のコミュニケーションとマナー


指示は復唱して確認、ミスを防ぐ

しっかり聞いて、わからないことは最後に質問

 新人のころは、「指示」によって仕事を与えられることがほとんどです。では、指示を受けるとき、何に注意しなければならないでしょうか? 

 まず、気持ちを集中して、しっかりと聞くことです。ぼんやり聞いていて、聞き逃してしまうことのないようにしましょう。また、指示を受けるときは、必ずメモを取りましょう。すべてを書きとめるのではなく、要点だけでいいのです。

 話を最後まで聞いて、わからないことがあったら、恥ずかしがらずに、その場できちんと質問しましょう。あいまいな理解はミスにつながります。

 最後に、必ず指示された内容を復唱しましょう。そうすることで医師や先輩ナースは、指示がしっかり伝わっているかどうかを確認でき、伝達ミスがあれば、その場で修正することができます。

 この復唱は、自分自身の訓練にもなります。きちんと要点を押さえ、理解しているかどうかを自分で知ることができるからです。もしほかにも指示を受けている場合は、どちらを先にすべきなのか、優先順位の確認もするようにしましょう。

報告をすることで仕事が終わる

 指示された仕事は、すぐにテキパキと行いましょう。さて、それが終わったら、まずしなければならないことはなんだと思いますか?


 次の仕事にすぐに移る。それも大切なことです。でも、その前にしなければなないこと。それは「報告」です。

 指示をした人は、それがなされたのかどうかの報告を待っています。「さっきの件はどうなった?」と聞かれる前に、必ず報告をしましょう。そのとき、何か気づいた点があったら、それも併せて報告するようにしましょう。

5W1Hを押さえて簡潔な報告を

まず「結論」が報告の基本原則

 仕事をするうえで、「報告」が大事であることはわかりました。では、その報告はどんなふうに行えばいいのでしょうか?だれもが忙しく仕事をしているわけですから、相手をイライラさせることなく、わかりやすく、簡潔に報告しましょう。

 それには、まず相手がいちばん知りたい、結論から伝えることが重要です。いきさつや弁解などを先に話す人がいますが、それでは何が言いたいのかさっぱりわからず、要領をえない報告になってしまいます。結論を伝えたうえで、そうなった理由や経過を話せば、話はスムーズに進んでいくのです。

 報告を受けた相手も、質問したり、対策をたてやすいでしょう。報告するときは「結論」が先。日頃からこのことをしっかり肝に銘じておきましょう。

 報告では、事実を正しく伝えることが重要です。また事実と意見は別のもの。はっきり区別して報告しましょう。

 報告のタイミングも大切です。できるだけすばやい報告が大事なのはもちろんですが、仕事の流れの中で、報告の時期を失しないように注意しましょう。

5W1Hを押さえよう

 報告をするときには、重要な要素を押さえて話す必要があります。それが5W1Hです。

 いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)の、5つのWと1つのHを合わせた6つの要素のことです。これらを頭のなかで整理して、内容をまとめて伝えることが大切です。

 これはメモを取るときにも有効ですし、指示を受けるときに確認することもできます。物事を進めるうえでの基本ですから、必ず覚えておいてください。

メモの大切さを知ろう

 人への伝言を頼まれたときなどは「これくらい覚えておける」と思っても、ほかの用事や頼まれごとなどで忙しくしているうちに、つい忘れてしまったりします。記憶というのは、結構いい加減なもの。もしかすると、記憶力に自信のある人ほど、ウッカリ伝言を忘れることが多いかもしれません。

 そこで重要なのはメモです。電話を受けたり、伝言を頼まれたときには、必ずメモを残すこと。これが鉄則です。では、どのようなメモがよいメモなのでしょうか?

 メモにも、5W1Hの6つの要素が必要です。いつ、だれが、どこで、何を、なぜ、どうした、の内容を盛り込んだメモを取りましょう。受け取った人に、簡潔に要点が伝わる、わかりやすいメモの作成を心がけてください。

 しっかりメモが取れたはずなのに、肝心のメモの内容が間違っていたというのでは困ってしまいます。正確さが大切なのはいうまでもありません。内容は、しっかり聞いて、確認をすることが大切です。

 伝言や電話を受けたときは、内容を復唱し、相手に確認するようにしましょう。相手の名前を聞き取れなかった場合、遠慮せず「失礼ですが、もう一度お名前を」と言って確認します。

 たとえば、検査室から、主任あてに電話が入ったとします。あいにく主任は、病室を回っていて不在です。そこで確認するべきなのは、用件は何か、直接の連絡が必要なのか、伝言でよいのか、急いでいるのか、そうでないのかということ。そして、その確認に従い、適切な対応をします。伝言でよい場合は、内容を簡潔に書き、受けた時刻と相手の連絡先、そして自分のサインを残しましょう。

自分で勝手な判断をしない

判断に自信がないときは必ず上司に相談

 仕事をしていて「どうしたらいいのだろう?」と迷ったり、わからなくなってしまったりすることは、よくあることです。新人のうちは、もしかすると、迷うことばかりかもしれません。そんなときは勝手に判断せずに、必ず上司に報告をし、意見を聞いてください。

 特にナースの仕事は、人命に直接かかわる責任の重い仕事です。ひとりよがりの判断が、大きな事故につながることも考えられるのです。

 「こんなことも判断できないなんて恥ずかしい」とか、「先輩たちは忙しそうだから自分でなんとかしよう」などと、迷う必要はありません。迷ったときには、きちんと相談にのってくれる役目の人がいるはずですから。

 キャリアが浅いうちはとにかくリーダー格のナースにできるだけつぶさに報告をし、必要な判断を委ねることが、新人ナースの責任として、重要なことです。自分勝手に判断してしまったために、あとでとんでもないことになったりしては、あなた自身が大変な思いをするだけでなく、患者さんや周囲の人に迷惑をかけることになるのです。

 もちろん「報告して、判断を仰げばいいんだから」といって、何でもむやみに相談するのは甘えすぎです。仕事をしていくなかで、判断の必要性を見極められるようになれば、言うことなしです。

 アクシデントやトラブルが起きたときは、すばやく上司や先輩に報告し、指示を受けましょう。そしてどんな小さなことでも、迷ったら、勇気をもって、素直に先輩ナースに相談することが大切です。そしてその結果は、指示どおりに即行動。即報告することも、忘れないでください。

(『新人ナースのための社会人マナーブック 失敗しない接遇とコミュニケーション術』
監修/亀田総合病院 前看護部長 竹股喜代子、2007年、アンファミエ刊、から改変利用)

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