• 公開日: 2014/1/6
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】ナースに英語は必要かしら?

第8回 「看護師に英語はいらない」もっともな理由

国際化の時代、看護師にも英語は必要でしょうか? 移住者や観光客が増えているから、というのはもちろん、実はそれ以上に、看護師に英語が必要なワケがあるのです。看護師と英語の深ーい関係を、英語教育の現状に触れながら、解き明かしていきます。


看護職イメージの表と裏

これまでは、懸念される英語教育の落とし穴に触れながら、なぜ英語なのか、なぜ日本人に英語は必要なのかについてフォーカスを当ててきました。

ここからは看護師に焦点を当て、「なぜ看護師に英語は必要なのか?」、教育ビジネス、国の政策、時代の流れやニーズに注目しながら、この答えを導いていきます。

看護師といえば、「白衣の天使」に始まり、女性の就きたい職業では常に上位にランキングします。手に職があり、一生活躍できる職種という華やかなプラスのイメージがあるかもしれません。

一方で、一般的によくいわれる「きつい」「汚い」「危険」の3Kに、「規則が厳しい」「給料が安い」「休暇が取れない」「婚期が遅れる」「化粧のノリが悪い」「薬(精神安定剤など)に頼って生きている」の6Kが加わり、9K職種というマイナスのイメージも存在します。

事実、決して仕事は楽ではありません。特に、新人時代は休日も自分の時間がもてず、プライベートを犠牲にするケースを何度となく見てきました。

そんな中で、日ごろ必要性が感じられない英語に時間を割くなど、論外といったところかもしれません。
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英語に一歩踏み込まないワケ

ある程度自分の時間に余裕ができたとしても、なかなか英語に一歩踏み込めない看護師は少なくありません。その理由として挙がるのは、

  1. 「もう看護師として働いているのだから」
  2. 「この職業なら英語ができなくても食いっぱぐれる心配はない」
  3. 「今さら英語なんて無理」
  4. 「外国人の患者さんなんて、めったに来ない」

さらに、看護の分野で優秀な人材とは、医療現場で即戦力となる“経験”と“スキル”をもち合わせた看護師であり、学歴や語学力は単なる個人の付加価値にすぎないという考えが根付いているからでしょう。

しかし、この概念が塗り替えられるのはそう遠い未来の話ではないのです。

次回は、アメリカの看護教育の現状についてです。

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