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【連載】これで対応に困らない! せん妄の基本

第8回 せん妄はなぜ起こるの?①せん妄の3つの因子を知ろう

執筆 井上 真一郎(いのうえ しんいちろう)

岡山大学病院精神科神経科 助教

大きな手術後やがんの終末期などに極めて高頻度にみられる「せん妄」。せん妄は、注意力や意識が低下することで患者さんが転倒・転落したり、幻覚が見えて暴れたりと治療を大きく阻害するものです。特に低活動型のせん妄は見落としがち。本連載ではそんなせん妄へのアプローチ法をやさしく解説します。


今春から外科病棟に配属された看護師のAさん。 担当患者さんが手術後にせん妄を発症してしまい、日夜悪戦苦闘・・・。これを機に、せん妄について体系的に勉強したいと考えています。

せん妄の3つの因子とは?

看護師さん:「最近うちの病棟でもせん妄対策に取り組もうという話が出ているんですが、何から手をつけたらいいのかわかりません。どうすればいいでしょうか?」

井上先生:「せん妄はいろいろな要因が複雑に絡み合って起こるので、どうしても対策が難しいと感じてしまいますよね。 せん妄へのアプローチを考える上で、せん妄の3つの因子について理解しておくことがとても大切です」

看護師さん:「3つの因子って何ですか?」

井上先生:「せん妄には、大きく分けて『準備因子』『直接因子』『促進因子』の3因子があります。それぞれ、『準備因子』はせん妄になりやすい素因、『直接因子』はせん妄を引き起こす直接原因、『促進因子』はせん妄を悪化または遷延化させるものになります」

看護師さん:「言葉だけ聞くと、少し難しそうですね」

井上先生:「そういう声をよく耳にします。ここでは、焚き火に例えて、できるだけわかりやすく説明しましょう」

看護師さん:「焚き火ですか?」

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