【連載】山内先生の公開カンファランス

第21回 心窩部痛を訴える患者さん(その1)

解説 山内 豊明

名古屋大学大学院医学系研究科 教授 医学博士/看護学博士/医師/看護師/保健師/米国・登録看護師、診療看護師


今回の事例
[りーさんより提供された事例]

冠動脈バイパス術後のリハビリ期の患者さん。術後創痛があり、ロキソニンを頓用内服していました。ある日、「お腹が痛い、痛み止めがほしい」との訴えがありました。

→この患者さんに起こっていることは?


まずは、ナース専科コミュニティ会員のみなさんが、事例を読んでこの患者さんに何が起こっていると考えたかを紹介します。回答者数は109人。


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山内先生の解説


みんなの回答

アンケート結果は、
Q1このような状況のとき、まずは何を疑うか
→Q1を確認するために、どこを確認するか
という流れで紹介します。

何を疑うか?どこを確認するか?

心筋梗塞
→動悸や、呼吸状態。腹壁の緊張や、圧痛の有無と、程度。悪心、嘔気、嘔吐や、排便、排尿の有無や、その色 性状。随伴症状。バイタルサイン。(まるさん)

心筋梗塞か、狭心症、胆管炎、膵炎、胃潰瘍でしょうか?
→まずは心電図波形を確認して痛みの程度、今までの痛みとの違いを確認したりします。創部異常の有無も確認して異常がなければバイタルサインを見て医師に報告すると思います。(桃さん)

(1)心臓に何かが起こっているかも。(2)ロキソニンで胃潰瘍になっているのかも
→(1)痛い箇所を詳しく聞き、12誘導を施行。波形をみてDrcallする、(2)胃部を触診し、圧痛や筋性防御がないか確認。胃潰瘍の既往の有無を確認。(Mさん)

心筋梗塞、狭心症、胃潰瘍
→冷汗の有無、心電図を取る。吐血、血便。(人さん)

いつからどのくらいの時間痛みがあるのか。持続的か、間欠的か。どのような痛みか。他の症状はあるか。
→痛みを訴えている所を触診する。顔色、バイタル測定。(jg@muさん)

鎮痛剤による胃潰瘍、便秘や食事に関連した消化器症状、心不全に伴う胸水や腹水、筋肉痛
→痛みの部位と性状。食事との関係。排便状況と腸蠕動の確認。バイタルサイン、創痛の程度とロキソニンの服用状況、心不全症状、リハビリや活動の状況。(デラックスさん)

胃潰瘍と心筋梗塞
→痛みの部位や痛みの出方、放散痛の有無、痛みの程度などを聞き取り、まずは心筋梗塞の否定をするために、疑わしいときは心電図をとります。その後、痛み止めの内服頻度を聞き、ロキソニンが、胃を荒らしていないかをアセスメントし、必要時、痛み止めを変更してもらいます。(なむさん)

消化器疾患
→ロキソニンの服用状況(サクサクさん)

ロキソニンの内服による副作用から、胃炎や胃潰瘍を疑う。
→便の性状、色。腹部の状態ー筋性防御の有無。痛みの部位。(いもさん)

狭心症の前兆
→バイタルサイン、表情の観察を行い、安楽な姿勢を保ってもらう。ロキソニンの最終服薬時間を確認し、医師に観察した項目を報告する。(m.sさん)

次は、上記で挙げてもらったもの以外に考えられるものは何かを聞きました。また、それを確認するために、どこを見るかも合わせて聞きました。 ナース専科コミュニティ会員のみなさんにアンケートを実施し、回答者数は109名。

上記で挙げた以外で考えられるもの。またそれを確認するためにどこを見るか?

●ロキソニンやストレスによる胃潰瘍。
→胃薬の服用状況、発生時の状況、持続時間、痛みの程度、食事摂取量、食事との関連性。(えにしさん)

●胃潰瘍形成またはAGMLによる心窩部痛。
→GIS(胃内視鏡)検査。(縄広涼さん)

●狭心症、ロキソニン内服による胃潰瘍、肺塞栓症。
→心電図の採取。(おおにっちゃんさん)

●ロキソニンを創部痛にたいして使用しており、胃腸障害を起こした可能性がある。腎機能や肝機能障害が生じる可能性とあるので血液検査データを確認する。
→(確認すること記載なし)(いしこさん)

●心タンポナーデ
→血圧測定、脈拍、呼吸数、心拍数、冷汗(m.kさん)

●イレウス
→腸蠕動音の確認。(ちいさん)

●逆流性食道炎、膵炎、盲腸
→いつ痛むのか、以前にも同じような痛みがあったか尋ねる。膵炎は、背部痛の有無。盲腸は、右下腹部への痛みの移動。(人さん)

●ロキソニンを服用している為の胃潰瘍、胃炎が考えられる。
→血液検査、胃カメラの依頼。(Gさん)

●ストレスなどによる胃痛や腸炎などの消化器の問題。
→これまでに同じような痛みを体験したことがあるか、その際受診をしたかなど。または嘔気や下痢の有無。排便状況など。(ももさん)

●腹痛の痛み止めを希望するということを考えて、疼痛の閾値が低く、容易に鎮痛剤を服用していたとも考えられます。
→痛みの程度(創部と心窩部)ロキソニンの服薬状況、食事との関係、排便状況と便の性状。(デラックスさん)

●肺塞栓や心筋梗塞など。
→12誘導心電図(有名人さん)

●リハビリ期のため ストレスを感じているため胃痛につながった。
→患者さんが自分の状態をどう思っているのかを 聞いてみる。(ときときさん)

●血圧低下、不整脈。
→(確認すること記載なし)(イルカさん)

次ページは山内先生の解説を紹介します。

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