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【連載】これで対応に困らない! せん妄の基本

第9回 せん妄はなぜ起こるの?②準備因子―せん妄の発症や重症化を防ぐ!

執筆 井上 真一郎(いのうえ しんいちろう)

岡山大学病院精神科神経科 助教

大きな手術後やがんの終末期などに極めて高頻度にみられる「せん妄」。せん妄は、注意力や意識が低下することで患者さんが転倒・転落したり、幻覚が見えて暴れたりと治療を大きく阻害するものです。特に低活動型のせん妄は見落としがち。本連載ではそんなせん妄へのアプローチ法をやさしく解説します。


今春から外科病棟に配属された看護師のAさん。 担当患者さんが手術後にせん妄を発症してしまい、日夜悪戦苦闘・・・。これを機に、せん妄について体系的に勉強したいと考えています。

準備因子を覚えよう

看護師さん:「前回はせん妄の3因子(準備因子、直接因子、促進因子)について勉強しました。もう少し具体的に教えて下さい」

井上先生:「では、今回はせん妄の準備因子について解説しましょう。まず復習ですが、準備因子とはどのようなものでしたか?」

看護師さん:「先生はせん妄を焚き火の火に例えていましたが、その『薪』にあたるものですよね。せん妄になりやすい素因のことです」

井上先生:「その通りです。具体的には以下のようなものを指します。とても大切ですので、これらの準備因子はぜひ覚えておいて下さい!」

準備因子についてまとめ表

看護師さん:「わかりました。ただ、それぞれをよく見ると、覚えておいてもどうにもできないように思えるんですが……」

井上先生:「良いところに気がつきましたね。その通りです。 準備因子の各項目は、年齢や認知機能低下、そして『既往』など、直接的な介入ができないものばかりですよね」

看護師さん:「では、準備因子をどのように活用すればよいのですか?」

次ページは「準備因子の活用」です。

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