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【連載】泣いて笑って訪問看護

第8回 『認知症の方との会話術』―摘便介助を説得するコツ

執筆 川上 加奈子(かわかみ かなこ)

株式会社のものも よつば訪問看護リハビリステーション 看護主任

医療の場が在宅へと比重が高まるものの、まだまだ知られていない訪問看護。ここでは訪問看護の実際について、エピソードを通じてご紹介します。


摘便拒否、説得はしたけれど…

訪問看護はどうしても高齢者との関わりが多いため、認知症の方とコミュニケーションをとることが多いのは事実。

ただ、認知症と一言で言っても、アルツハイマー型やら、レビー小体型やらいろいろあるが、全てに共通して有効な関わり方が一つある。
もちろん、進行具合により適応しないこともあるが、一番大切なのは、ご本人の訴えを受けとめること。
今回は認知症のある方の摘便介助での例を紹介したいと思う。

レビー小体型認知症の76歳女性、慢性便秘で2週間位便が出ないこともあるとか…。

もちろんこのような場合、下剤での排便コントロールが第一優先だが、この方の場合、薬が何も効かないため、自然に任せてるとのこと。
とはいえ、肛門からはもう硬い便が見えている状態。看護師としては、やはり出して差し上げたい。

ご家族も出して欲しいと希望はあるものの、無理にやると本人が暴れるためできないと諦めている。

この症例、実は一回目の関わりでは失敗している。

もちろんはじめにご本人に説明はした。
「便が溜まっていて大変だから出しましょうね」と説得し、了解も得た。
しかし、実際肛門に指を入れたら激怒。
「馬鹿野郎!何すんだ!」
暴れ出す相手を、「すぐ終わるから頑張って!」と無理やり抑えこみ、なんとか無事に終了…したかにみえた。

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