1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 急変対応
  5. 急変サイン・徴候
  6. 第15回 急変の予兆を知る 「顔」で捉える“何かヘンだ” ①全身状態と「顔」

【連載】何かヘンだ”がわかる! 急変前に気づく五感アセスメント

第15回 急変の予兆を知る 「顔」で捉える“何かヘンだ” ①全身状態と「顔」

  • 公開日: 2015/11/22

はっきりとした予兆もなく、患者さんが急変したり、重篤な疾患が進行していたりする経験があると思います。そのような急変に先立って、先輩の看護師や医師から「あの患者、何かヘンだよね」という直感的な台詞を聞いたことがあるかもしれません。

この連載では、急変前の「何かヘン」と感じる患者への直感的な違和感について解説し、急変を見抜く力を養います。


今回は、全身状態と「顔」についての解説です。みなさんが「○○さんの全身状態が悪い」と直感したときのことを思い浮かべてみて下さい。思い浮かぶのは患者さんの「全身」ですか?違いますよね。患者さんの「顔」でしょう。多くの場合、私たちは患者さんの「顔」で、危険な「全体的イメージ」を察知します。

「顔」と「コミュニケーションの乱れ」

人間の最も大きな特徴は、高度に発達した意思疎通能力、すなわち「コミュニケーション」能力です。日常的なコミュニケーションは、体内のホメオスタシスが安定し(第1回)、意識レベルがクリアで、精神活動(心あるいは「頭の回転」)」が活発であるからこそ可能なのです。

コミュニケーションは言語(会話)だけではありません。むしろ、患者さんの「全体的イメージ」と関連が深いのは、表情、視線、「目の力」や身振り・手振りといった非言語的コミュニケーションです。私たちは非言語的コミュニケーションによって、相手との間に安定した、テンポのよい「シンクロ状態」を作り出します。

患者さんの「軽い意識障害」や「冬眠」行動は、「シンクロ状態」を乱すため、私たちは直感的に“何かヘンだ”と違和感を抱きます。「コミュニケーションの乱れ」は言葉で説明しにくく捉えがたいのですが、これに気づく「手がかり」となるのが「顔」です。

「顔」は「観察」するものではなく「経験」されるもの

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

発熱している患者さんのアセスメントと対応

事例紹介 患者背景 Nさん、50歳代、女性 ・身長154cm、体重72kg、BMI 30.4kg/m2 ・既往歴:なし ・内服歴:なし 現病歴 右大腿骨遠位下部粉砕骨折により手術を実施。術後は右大腿から下腿遠位にかけてシーネ固定を必要としたが、本日、手術後1

2021/7/15

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
4位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
5位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
6位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
7位

SIRS(全身性炎症反応症候群)とは?基準は?

*この記事は2016年7月4日に更新しました。 SIRS(全身性炎症反応症候群)について解説します。 SIRS(全身性炎症反応症候群)とは? SIRS(全身性炎症反応...

250839
8位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
9位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636
10位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949