【連載】“何かヘンだ”がわかる! 急変前に気づく五感アセスメント

第16回 急変の予兆を知る 「顔」で捉える“何かヘンだ” ②「顔」と「顔」の相互反応

解説 佐仲 雅樹(さなか まさき)

津田沼中央総合病院内科/東邦大学医療センター大森病院総合診療・救急医学講座 客員講師/城西国際大学薬学部 客員教授

はっきりとした予兆もなく、患者さんが急変したり、重篤な疾患が進行していたりする経験があると思います。そのような急変に先立って、先輩の看護師や医師から「あの患者、何かヘンだよね」という直感的な台詞を聞いたことがあるかもしれません。

この連載では、急変前の「何かヘン」と感じる患者への直感的な違和感について解説し、急変を見抜く力を養います。


非言語的コミュニケーションの大部分は「顔」と「顔」の相互反応です。それがシンクロ状態にあれば、日々のあまりにも当たり前な状況であり、意識することもありません。シンクロ状態が乱れると、“何かヘンだ”と違和感を覚えます。

「顔」と「顔」のシンクロ状態

アイコンタクトでシンクロする

私たちはよほど親密な関係にないと、相手の「顔」あるいは目を注視し続けることはできません。一方で、よほど険悪な間柄でなければ、視線をそらし続ける(無視し続ける)こともできません。

シンクロ状態の破綻が「コミュニケーションの乱れ」

このような無意識的で深いシンクロ状態ができあがるのは、お互いの意識状態や精神活動が正常だからです。全身状態の悪化は、シンクロ状態をかき乱し、「コミュニケーションの乱れ」を起こします。

「心の動き」が停滞するため、意欲や関心が低下し、集中力もなく注意散漫となります。それは、「鈍い反応」、「無関心」、「他人事」、「なげやり」といった印象です。アイコンタクトも少なくなり、「目の力」も弱くなるでしょう。

シンクロ状態の破綻説明イラスト

シンクロ状態の破綻説明イラスト②

次回は「目」と「表情」について解説します。

ページトップへ