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【連載】急変対応マニュアル

ショックの定義、症状、診断基準と見極め

解説 木下 佳子

NTT東日本関東病院副看護部長 急性・重症患者看護専門看護師

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急変症状の中でも「ショック」にはさまざまな原因があり、その見極めを覚えておくことは重要です。ここでは見極めのポイントとそのとき看護師は何をすべきかを解説します。


ショックの定義

ショックは、「生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果、重要臓器の血流が維持できなくなり、細胞の代謝障害や臓器障害が起こり、生命の危機に至る急性の症候群」と定義されています。

そして、その病態により、大きく
循環血液量減少性ショック
心原性ショック
血液分布異常性ショック
心外閉塞・拘束性ショック
の4つに分類されます。

ショックの分類表

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ショックの診断基準

ショックにはさまざまな原因があることから、すべてのショックに適応する単一の診断基準はありません。しかし、血圧低下と臨床所見からおおよその判断をすることは可能です。
これによると、血圧低下がショックを裏付ける目安となります。

基本的には、収縮期血圧が90mmHg以下になったとき、あるいは通常の血圧より30mmHg以上低下したときとしています。
この血圧低下に加え、みていかなければいけない臨床所見は、心拍数、頻脈・徐脈、爪先の毛細血管のrefill遅延、意識障害、乏尿・無尿、皮膚蒼白と冷や汗または39℃以上の発熱、の6つがありますが、このうち3項目以上に該当するとショックと診断されます。

特に意識障害についてはせん妄や認知症の悪化と考えてしまい、ショックを見逃す可能性があるので、注意が必要です。

ショックの特徴的な症状

患者さんをぱっと見たときに、「ショックかもしれない」と気が付けるよう、特徴的な症状を頭に入れておくことは大切です。その代表的なものに「ショックの5徴候(ショックの5P’s)」があります(下参照)。

これらはショックを疑うべき症状で、「2」については多汗である場合もあり、さらに「3」には、具体的症状として、元気がない、視線が合わない、反応がない、体がだらりとしているなどの状態も挙げられます。

ショックの5徴候(ショックの5P’s)

  1. 皮膚・顔面蒼白(Pallor)
  2. 発汗・冷や汗(Perspiration)
  3. 肉体的・精神的虚脱(Prostration)
  4. 脈拍微弱(Pulselessness)
  5. 不十分な促迫呼吸(Pulmonary insufficiency)

続いて「“不穏・頻呼吸”に注意する、“おかしい”と感じたときの対応」です。

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