【連載】伊藤麻紀先生の『ストーマケアはじめの一歩』

第2回 ストーマの種類―造設部位別ストーマ

執筆 伊藤 麻紀(いとう まき)

日本赤十字社医療センター 循環器・泌尿器科病棟/皮膚・排泄ケア認定看護師

消化器疾患や泌尿器疾患のためにストーマを造設された患者さんは、造設により自身のボディイメージが変容することから、不安やショックを受ける方が少なくありません。

本連載では、ストーマについての基礎知識とともに、ストーマの造設を受ける患者さんとその家族に対し、看護師が身体的・心理的・社会的な側面から行なうケアについて解説します。なお、ここでは、成人のストーマケアにのみ述べていきます。

【ストーマのまとめ記事】
ストーマとは?ストーマの看護について


【目次】

ストーマの種類

 ストーマの種類は、期間や目的などで分類されます。

【期間・目的による分類】

*永久的ストーマ
*一時的ストーマ

【部位・臓器による分類】

*結腸ストーマ(colostomy)
 -S状結腸ストーマ
 -下行結腸ストーマ
 -横行結腸ストーマ
 -上行結腸ストーマ

*回腸ストーマ(ileostomy)

*その他
 -空腸瘻
 -食道瘻

*尿路ストーマ(urostomy)
 -回腸導管
 -尿管皮膚瘻

【開口部の数による分類】

*単孔式ストーマ
*双孔式ストーマ
*係蹄式ストーマ
*分離型ストーマ
 -二連銃式ストーマ
 -完全分離式ストーマ

【機能による分類】

*禁制(制御性)※1ストーマ
*非禁制(非制御性)ストーマ

 ※1:禁制とは、尿や便がもれないこと

ストーマの分類(ストーマリハビリテーション実践と理論, p.42 表4-5を一部改変)

期間・目的による分類

永久的ストーマと一時的ストーマとは?

 永久的ストーマとは、一生涯、保有するストーマのことをいいます。直腸から肛門に及ぶ疾患で肛門管を摘出する場合や膀胱全摘術による尿路変更術が必要な場合に、永久的ストーマが造設されます。

 その場合、単孔式ストーマとなります。また、腹腔内への悪性腫瘍の転移・腹膜播種により造設される双孔式ストーマでも永久ストーマになることがあります。消化管や尿路の閉塞に対して症状緩和目的に造設されたストーマを緩和ストーマといいます。

 一方、一時的ストーマは、結腸の手術で腹腔内感染や腸管吻合部の安静のため、双孔式ストーマが造設されることが多いです。一定期間経過した後、ストーマを閉鎖し、自然肛門から排泄することができるようになります。

部位・臓器による分類

 部位・臓器が異なることにより、排泄物やその性状が異なり、ストーマ周囲の皮膚への影響も異なります(図1)。

図1 消化管ストーマの造設部位 図1 消化管ストーマの造設部位

結腸ストーマとは?

 結腸で造設されたストーマの総称です。結腸ストーマは、結腸のいずれの部位で造設は可能ですが、上行結腸・下行結腸は後腹膜に固定されているため、腹壁外に出し、高さのあるストーマを造設するためには剥離操作が必要となります。一方、横行結腸やS状結腸は固定されていないため、容易にストーマを造ることができます。

 排泄される便は、肛門から排泄される便臭とほぼ同様となります。また、便性は結腸部位によって異なり、下行~S状結腸ストーマはペースト状、横行結腸~上行結腸では粥状から泥状となります(図2)。

図2 結腸ストーマの種類図2 結腸ストーマの種類

回腸ストーマとは?

 回腸ストーマの場合、腹腔内に遊離しているため、容易に造設できます(図3)。しかし、結腸ストーマに比べて水様便の排泄量が多く、手術直後は1,000~2,000mL以上になることも少なくありません。その後は、徐々に残っている小腸の代謝機能が発達し、600~800mL程度に安定していきます。体調の変化や食事内容や量、抗がん剤などの薬剤使用により、排泄物の量が変化しやすく、脱水に注意する必要があります。

図3 回腸ストーマ図3 回腸ストーマ

 さらに、排泄される水様便は、消化酵素の活性が高く、アルカリ性を呈しているため、ストーマ周囲皮膚障害を起こしやすくなります。(いため、きめ細やかなケアが必要となります。)量が多い水様便により頻回に装具漏れを起こし、漏れによる皮膚障害が重症化しやすいため、きめ細やかなケアと装具選択が必要となります。

その他のストーマとは?

 消化管のその他のストーマとしては、食道で造設される食道皮膚瘻、空腸瘻などがあります。造設される部位によって排泄物の性状や量が異なるため、その特性に合わせたケアを行います。

尿路ストーマとは?

 尿路ストーマは、膀胱全摘術+回腸導管造設、もしくは尿管皮膚瘻造設がなされます(図4)。回腸導管の場合、小腸の一部で導管を作成し、尿管と吻合することで、腹壁にストーマが造設されます。一方、尿管皮膚瘻は、尿管を直接腹壁に縫合し、ストーマを作成します。

図4 尿路ストーマの種類図4 尿路ストーマの種類

 その他の尿路変更術・尿路再建術(図5)があり、導尿や腹圧をかけ自分で排尿することを可能にする方法もあります。

図5 尿路変更術・尿路再建術図5 尿路変更術・尿路再建術

開口数による分類

 開口数による分類は、ストーマ孔の数で分類されています。単孔式ストーマは腸管の断端で作成され、ストーマ孔が1つとなります(図6)。

図6 単孔式ストーマ(エンドストーマ)図6 単孔式ストーマ(エンドストーマ)

 一方、双孔式ストーマは、係蹄式ストーマ(図7)と分離型ストーマに分かれ、さらに分離型ストーマは二連銃式ストーマ(図8)と完全分離式ストーマ(図9)があります。完全分離型ストーマの場合、切除された腸管が長く、離れた部位に造設されたストーマを指します。最近では、造設されているストーマは、双孔式ストーマが最も多くなっています。

図7 係蹄式(ループ式)ストーマ図7 係蹄式(ループ式)ストーマ
図8 二連銃式ストーマ図8 二連銃式ストーマ
図9 完全分離式ストーマ図9 完全分離式ストーマ

機能による分類

 一般的に造設されるストーマは、括約筋がなく、機能による分類として非禁制ストーマとなります。そのため、ストーマ装具を使用して排泄管理をします。一方、禁制ストーマは、便をためる貯留嚢と失禁防止弁(漏れないようにする弁)を小腸で作成する複雑な手技を必要とし、排泄管理上もカテーテル管理となるため、適応が限られ、広くは行われていません。

 尿路ストーマの場合、尿が漏れないように禁制型ストーマを作成し、導尿で排尿する禁制型尿路変更術や、代用膀胱を腸管で作成し、自分で腹圧をかけ排尿できる自排尿型尿路再建術などが行われています。

参考文献

1.日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会編:ストーマ・排泄リハビリテーション学用語集第3版.金原出版,2015
2.ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編:ストーマリハビリテーション実践と理論.金原出版,2006

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