【連載】“何かヘンだ”がわかる! 急変前に気づく五感アセスメント

第20回 五感アセスメントの総まとめ

解説 佐仲 雅樹(さなか まさき)

津田沼中央総合病院内科/東邦大学医療センター大森病院総合診療・救急医学講座 客員講師/城西国際大学薬学部 客員教授

はっきりとした予兆もなく、患者さんが急変したり、重篤な疾患が進行していたりする経験があると思います。そのような急変に先立って、先輩の看護師や医師から「あの患者、何かヘンだよね」という直感的な台詞を聞いたことがあるかもしれません。

この連載では、急変前の「何かヘン」と感じる患者への直感的な違和感について解説し、急変を見抜く力を養います。


直感から行動へ

これまで解説してきたことを以下にまとめてみました。

直感から行動へ漠然とした全体イメージ1

急変のプロセスとは全身状態が悪化するプロセスです。生命の危機に対して、患者さんの「生き残りシステム」が活性化し、「危機」を乗り越えるために全身で懸命に「抵抗」します。「抵抗」は患者さんの「全体的イメージ」を変え、バイタルサインやフィジカルアセスメントの異常として客観的な変化をもたらします。

「生き残りシステム」の活性化によって、患者さんは強い「不快感」を感じ、患者さんの「全体的イメージ」が「非常事態モード」に変化します。

非常事態の「全体的イメージ」は、「コミュニケーションの乱れ」や「スロー/せわしない行動」を通して看護師に直感されます。直感がきっかけになって、看護師はバイタルサインをチェックしたりフィジカルアセスメントを行います。「生き残りシステム」が活性化していること(=生命の危機)の客観的な証拠を探すという、具体的な行動を起こすのです。

「冷めた知識」である個別のサインにとらわれることなく、「現実」として苦しむ患者さんの「全体的イメージ」を一気に捉え、素早く行動に移すことが大切です。

ページトップへ