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【連載】医療安全管理室と現場、相互の高い意識が 患者さん・医療者の安全を守る

第2回 急変リスクが伴う部署だからこそ、 その真価が問われる

取材 石川亜矢(いしかわ あや)

東大阪市立総合病院 救急外来主査

取材 餅田 佳美(もちだ よしみ)

東大阪市立総合病院 医療安全管理室 室長

医療の質や安全性に対する社会的関心はますます高まり、医療安全対策は今や医療現場での最重要課題の一つとなっています。

中でも、院内の安全管理を牽引する担当部署と現場を支える多職種の関係性は、その対策の徹底を大きく左右するといっても過言ではありません。

今回は、安全対策製品の導入によって、医療安全に対する意識をより高めた成功例として、東大阪市立総合病院での取り組みを紹介します。


安全性と効率性を求める救急の現場。急変リスクが伴う部署だからこそ、その真価が問われる

 餅田さんがフィックスキット・PVの導入部署を絞り込むにあたり、まず優先したのが救急外来でした。

実際にルート確保のために同キットを使用した救急外来・主査の石川亜矢さんは、使用後の感想を次のように話します。

「ショック状態の患者さんの皮膚は湿潤しているので、通常のテープだと浮いてきてしまうのですが、フィックスキット・PVは皮膚に密着して剥がれることが少ないようです。一方で、テープかぶれやスキン︲テア(皮膚裂傷)といった皮膚トラブルも減少しています。何より迅速なルート確保が必要な部署なので、テープがセットになっていてすぐに使え、片手で固定操作ができる点はとても助かりますね」

また近年は、高齢患者さんの救急外来への搬送も増えており、認知症やせん妄によるルートの自己抜去が問題となっています。

しかし、救急搬送が重なると、認知症患者さんにつきっきりで対応することはできず、ちょっとした合間にルートが抜かれてしまうこともあります。

そのときに、しっかり密着していると剥がされにくく、その一瞬を止めることもできるのだといいます。

救急の現場は初診が多く、患者さんの情報が少ない中での対応や、状態変化の大きい患者さんがほとんどです。

「慌てているときほど事故は起こりやすいので、スタッフには緊急時はより気を引き締めてケアするように指導しています」と石川さん。

危険度のリスク評価が難しいからこそ、ルート類の安全管理は重要なのだと話してくれました。

カテーテルの固定の仕方の変化

救急外来でのカテーテル固定手順

血管を確保したら、片手でルートを保持し、もう一方の手でバッケージからフィルムドレッシングを取り出す(写真1、2)。

ドレッシングの切り込みを刺入部に合わせて貼付し、羽根型になっている部分をルートの下に差し込むように貼り合わせる(写真3)。ここで、ルートの接続部を浮かせるように山をつくるのが、密着固定させるポイント!(写真4)

ループをつくり、セット内の2本のテープで固定する(写真5、6)。

カテーテル固定写真

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