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【連載】泣いて笑って訪問看護

第15回 『人はみんな死ぬんです』―悲しみを乗り越える思い

執筆 川上 加奈子(かわかみ かなこ)

株式会社のものも よつば訪問看護リハビリステーション 看護主任

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医療の場が在宅へと比重が高まるものの、まだまだ知られていない訪問看護。ここでは訪問看護の実際について、エピソードを通じてご紹介します。


うちの社長はともかく前を見ている。

前しか見ていないと言っても過言ではないかもしれない。

社長がうちの訪問看護ステーションを立ち上げたのは8年前。始めは社長を含め、3人だけの看護師だったのが、現在11名の看護スタッフを抱えるまでの大きい訪問看護ステーションになった。

ここまで訪問看護ステーションを大きくするまでには、いろんな苦労もされてきたが、どんな状況下でも、「ここが踏ん張り時です」と常に下を向かず顔をあげてこられた社長。50代から多忙の中、言語聴覚士の資格をとるために学生になったことも・・・。

「振り返るとあっと言う間でしたね・・・」と眼を細められた。

訪問看護ステーションの社長が看護師を目指したきっかけ

社長が6歳の頃、祖父を看取ったのが、看護師を目指すきっかけになったとか・・・。

当時、裕福ではなかった暮らしの中で、家族で分担をして祖父の介護をされていたとのこと。 母は早朝と夜に清拭とオムツ交換、日中は働きに出かけ、9歳の兄は新聞配達と祖父の食事介助、社長は当時6歳で尿瓶を破棄する係りだったそうだ。

家族で働いたお金をみんなで持ち寄り、これだけのお金でやりくりしようねと生活していたため、家族は結束を増し、特に辛いという感情はなかったと。

「月に一度の外食はタヌキうどんでね。質素なものだったけどとても嬉しくて・・・。その後に食べる小豆アイスの味は忘れられないですね」と。

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