【連載】スキンケアの誤解

第1回 褥瘡の洗浄はどんなときでも水道水でよい?

解説 渡辺光子

日本医科大学千葉北総病院 看護師長 皮膚・排泄ケア認定看護師

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褥瘡とは?褥瘡の看護ケア|原因と分類、評価・予防・治療など


 スキンケアを日常業務として行っている人は多いのではないでしょうか。

 毎日行っているスキンケアのエビデンスはよくわからないけれど、先輩から教えられた通りに、または自己流に行っているということはよくあることです。

 この連載では、スキンケアについて病棟で働く看護師が誤解していそうなものを集め、本当はどう行うとよいのかについて医師とスキンケアのエキスパートである、皮膚・排泄ケア認定看護師に解説してもらいます。


生理食塩水を使用したほうがよいケースもある

 褥瘡の洗浄液について、日本褥瘡学会の『褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)』では、水道水または生理食塩水を用いることが推奨されています。

 安価で準備しやすい水道水の利用が一般的で、原則はそれでかまいません。ただし、水道水で痛みを感じる患者さんには、生理食塩水を用いるほうがよいでしょう。

 生理食塩水は体液と浸透圧が同じなので刺激が少なく、創洗浄時の痛みへの対処として有効です。

消毒液での洗浄は医師から指示があるときのみ

 また、感染創に対しては、消毒液が洗浄用に使われる場合もあります。ただし、消毒液には細胞毒性があるため、創に消毒液を使うと、細菌だけでなく線維芽細胞などの組織増殖に関与する細胞にまでダメージを与えてしまいます。

 そのため基本的には、明らかな感染創に対してのみ、選択的に用います。そして高濃度の消毒液が創部に滞留しないよう、最後に洗い流すことが推奨されています。

 また、消毒液で得られる殺菌作用は一時的なものです。殺菌効果を期待するには、感染制御作用のある外用薬を適切に使用することを優先し、洗浄液は基本的に水道水や生理食塩水でよいでしょう。

(「ナース専科」マガジン2015年10月号から転載)

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