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【連載】排泄ケアで困ったこと

おむつ交換のたびに陰部洗浄は必要?

解説 丹波光子

杏林大学医学部付属病院 皮膚・排泄ケア認定看護師

ナース専科コミュニティ会員にアンケートを実施し、排便や排尿にかかわることで実際に困っていることを集め、皮膚・排泄ケア認定看護師に解説してもらいました。今回はおむつ交換についての質問に回答します。


おむつ交換のたびに陰部洗浄は必要?

おむつ交換の陰部洗浄は基本的に1日1回

尿や便失禁が多いと、化学的刺激によりスキントラブルを起こしやすいため、つい洗浄をして清潔にしたいと考えがちです。しかし、頻回な洗浄は皮脂を過剰に取り去るうえに、皮膚を擦る機械的刺激により皮膚表面が損傷することで、バリア機能が低下し、ドライスキンを助長することになります。そこに、尿・便失禁による化学的刺激が加わるので、スキントラブルのリスクはさらに大きくなります。

したがって、皮脂の除去や機械的刺激を軽減するためにも、おむつ交換のたびに洗浄する必要はありません。皮膚の洗浄は1日1回を基本とします。排泄物はその都度拭き取り、清潔を保持しますが、排泄物を拭き取る際には、擦らずに皮膚を押さえるようにして拭き取ります。その後に保護クリームを塗るなどの予防的スキンケアを行います。

発赤や掻痒感の原因

ドライスキンや真菌感染が原因の可能性もある

適切なスキンケアができているのか、皮膚を観察し、アセスメントすることが大切です。

陰部に発赤や掻痒感があるとのことですが、これは尿や便失禁が原因とは限りません。発赤や掻痒感の原因には、頻回な洗浄によるドライスキンや真菌感染の可能性もあります。

発赤と掻痒感が真菌に由来する場合には、抗真菌薬を塗った後に、保護クリームを塗る必要があります。

真菌感染では発赤のほかに膜様の皮膚剥離、膿疱などがみられるので、皮膚の状態をよく観察します。真菌感染が疑われるときは、皮膚科の医師に診断を仰ぎ、抗真菌薬を処方してもらいましょう。

(『ナース専科マガジン』2015年12月号より転載)

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