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【連載】排泄ケアで困ったこと

水様便によるスキントラブルどうする?

解説 丹波光子

杏林大学医学部付属病院 皮膚・排泄ケア認定看護師

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ナース専科コミュニティ会員にアンケートを実施し、排便や排尿にかかわることで実際に困っていることを集め、皮膚・排泄ケア認定看護師に解説してもらいました。


水様便の原因を解消する

肛門のただれが頻回な水様便によるものであるなら、なぜ頻回な水様便が起こっているのか、その原因を考えて、下痢を改善することがとても大事になります。いくらケアをしても、スキントラブルのもともとの原因が解消されなければ、トラブルも解消されません。腸炎の有無、抗生物質投与など、下痢の原因となる要素をアセスメントしていきましょう。

原因の検索と同時に、スキンケアを行います。尿や下痢によるスキントラブルは、アルカリ性の尿・便が長時間皮膚に接触することによる化学的刺激、頻回に皮膚を拭いたり、洗浄することで起こる機械的刺激、高温多湿のおむつの湿潤環境といった3つの要因によって生じています。これらを念頭におきながらケアしましょう。

亜鉛華軟膏と皮膚保護パウダーでケアする

皮膚は1日に1回しっかりと汚れを落とします。皮膚をきれいしたら、先に皮膚保護パウダーを塗ってから亜鉛華軟膏を塗ります。あらかじめパウダーと亜鉛華軟膏を3:7の割合で混ぜ合わせて使ってもかまいません。

おむつ内は湿潤環境にあるので、水様便を長時間放置せずに、排泄があったら速やかに交換します。排泄のたびに洗浄する必要はなく、しっかりと拭き取ります。排泄物を拭き取った後、上から同じように皮膚保護パウダーを付け、亜鉛華軟膏を塗ります。皮膚保護パウダーと亜鉛華軟膏もおむつ交換のたびに落とす必要はありません。1日1回洗浄するときに落とします。その際には、オリーブオイルやベビーオイルなどで汚れを浮かせて取り除きます。このとき決して強く擦らず、軽く押さえ拭きしましょう。

このようにケアすることで、前述した機械的刺激、化学的刺激、湿潤環境は軽減されてスキントラブルは改善・解消されるはずです。それでも改善されないのであれば、ただれている原因が水様便にあるのではないと考えられます。特に、ただれではなく潰瘍ができているのであれば、内科的疾患が原因の場合もあるため、医師に相談して、診断を仰ぐ必要があります。皮膚の状態をよく観察しましょう。

すでにただれてしまっている場合は、皮膚保護パウダーに亜鉛華軟膏を使用しますが、おむつの装着がスキントラブルのリスクを高めるため、おむつをした時点から予防的スキンケアを考えることが大切になります。

最近では、保湿効果と撥水性を備えたクリームなどさまざまなケア用品が出ているので、それらを調べて試してみるのもよいでしょう。

また、一度でも発赤が出たら、アズノール軟膏を使ってスキントラブルの悪化を防ぎます。

>>次ページでは「予防的スキンケア」のおさらいです。

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