【連載】実践!エンゼルケア

第16回 エンゼルメイク実践編 (4)クリームファンデーションとフェイスパウダー

解説 小林光恵

「エンゼルメイク研究会」「看護に美容ケアをいかす会」代表

今回はスキンケアのあとのメイクアップの解説です。前回行った「蒸しタオルと乳液」で整肌後、肌の色を整える「クリームファンデーション」→「フェイスパウダー」を実践していきましょう。


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エンゼルケア(逝去時ケア)とは?目的・手順など


クリームファンデーションの使用目的

 乳液で肌を保湿し、乾燥を防ぐ保護膜として下地をつくった後(整肌)、クリームファンデーションを塗ることでさらに乾燥を防ぎます。そして死後の身体変化による肌の変色をカバーするとともに血色を補います(死後の身体変化は第2回から解説しています)。

クリームファンデーションを用いる際のポイント

・油分が多くカバー力の高いクリームタイプのファンデーションがおすすめです。薄い肌色にしたい場合は乳液やクリームでクリームファンデーションをのばしてつけましょう。
・蒼白化(後半で説明)によって血色が失われていくため、赤みを足して使うか、赤みのあるファンデーションの使用がベストです。
・使用するファンデーションは、事前に自分の手首などに使用してみて性状を確認しておきましょう。

クリームファンデーションの使用手順

1)ご本人の肌色を確認しながらクリームファンデーションの色目を選びます。
※基本の肌色、赤みを足すための赤系の色、男性でしたらダークな色目から使用する色を選びます。ご本人の肌の色に近い肌色と赤が基本的な色選びです。

エンゼルメイクのファンデーションの選び方

2)選んだファンデーションを手の甲にとります。

エンゼルメイク

3)手の甲でファンデーションをよく練り合わせて柔らかくし、肌につけることができる状態にします。

エンゼルメイクのファンデーションの下準備

4)ファンデーションを首につけて色なじみを確認します。

エンゼルメイクのファンデーションの色確認

5)ファンデーションをふくませたスポンジを顔の中心から流れに沿って乗せるようにつけます。
※肌を傷めないよう皮膚表面に静かに乗せるようになじませます。
※ムラなく自然な印象にするため、少量を薄く全体になじませます。
※必ず空いている方の手は顔を支えるように添えます。

エンゼルメイクのファンデーションの付け方

6)顎・額・耳の裏側まで丁寧に乗せていきましょう。

エンゼルメイクのファンデーションの付け方のコツ

7)露出している首の皮膚にも乗せます。ファンデーションを顔全体になじませたら平たいスポンジに変えて軽く押さえて整えます。

エンゼルメイクのファンデーションのコツ

8)クリームファンデーションが完成しました。顔色が明るくなります。

エンゼルメイクのファンデーション仕上がり

フェイスパウダーの目的

パウダーがベールの役割をして、メイク崩れを予防します。

フェイスパウダーの手順

1)太いブラシにパウダーをとったら、余分なパウダーを自分の手の甲や手首などで払い落としてから用います。

エンゼルメイクファイスパウダー

2)顔をなでるようにつけていきます。塗り残しがないように塗る順番を決めてなでるように塗りましょう。

エンゼルメイクフェイスパウダーのコツ

3)首や耳のうしろにも忘れずに塗ります。

エンゼルメイクフェイスパウダーのポイント

蒼白化の出現とファンデーションをつける意味

ご遺体の蒼白化

 血色をもたらす赤血球が動の影響を受けて身体の下方に移動することで蒼白化が起こります。血液を含め体液は動の影響を受けます。そのため仰臥位の際、身体の後面に開放性の創部などがある場合はとくに体液が流出しやすいため密閉などの対応が必要です。

エンゼルメイクで血色を補う

 血色は穏やかな印象につながります。死後の身体変化の一つである蒼白化により血色が失われるのを補う意味でファンデーションに赤みを加えチークを使用します。


第5回でも詳しく解説しています。


 次回も引き続き、エンゼルメイク実践編(5)「血色をおぎなうチークカラー」と(6)「眉(アイブロウ)・マスカラ」を解説します。


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