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【連載】訪看ステーション「よつば」の公開カンファレンス

CASE01 口の中のネバネバの影には意外な原因が・・・

執筆 川上 加奈子(かわかみ かなこ)

株式会社のものも よつば訪問看護リハビリステーション 看護主任

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Yotuba

「訪問看護に興味はあるけれど、1人で訪問するから不安、自分にはとっさの判断能力がないから無理」などと身構えてしまう看護師は多いのではないだろうか。
訪問看護は確かに現場では1人だが、実は同じステーションのスタッフや多職種と連携しているからこそ提供できる仕事でもある。
訪問看護の現場で起こりがちな事例の解決方法、スタッフどうしや多職種との連携・協力の仕方について、当ステーションで行っている事例検討会を通して紹介しよう。


困難事例1「口の中のネバネバが気になる」ケース

80歳女性Aさん。
過去に行った卵巣がんの放射線治療の副作用により、癒着性イレウスを繰り返し、経口摂取もままならなくなり、一年前より中心静脈栄養を開始。
現在は在宅で、1000mL/日の高カロリー輸液をポートから持続点滴中。
退院直後は絶飲食であったが、何も食べないと腸管機能が低下し、免疫機能も下がるため、1日にコップ1杯のお茶と、1日おきに数口のヨーグルトを口にしている。
腸管が弱っているため浣腸の使用は禁止。自然排便がなく、またイレウスを起こすようであれば、胃チューブを挿入し対応する予定であるが、今のところ自然排便が約1日おきにみられている。3カ月前に腰椎圧迫骨折を生じ、ベッド上での生活ではあるが、10分程度は端座位が可能であり、歩行に向けてリハビリを週2回実施中。

問題点

Aさんは、中心静脈栄養になり経口摂取量が減ってから、それまであった吐き気も消失。お腹の張りもなくなったが、「口の中がネバネバする」という症状により不快感を訴えている。
入院中の病棟医師は、1日の水分摂取量が1000mLに絞られており少ないこと、また高カロリー輸液の影響によるネバつきではないかと診断。
在宅医も、口からほとんど食べていないために唾液の分泌が減り、ネバつくのではないかと診断している。
しかし、高カロリー輸液は中止できない上、水分を多くとれば吐いてしまうため、どう対策すればよいか迷ってカンファレンスを開くこととなった。


honoka
ほのか:口からほとんど食べていないから唾液の分泌が減ってるんですよね?だから粘つく。でも食べれないから、口の中が乾かないように小さい氷をちょこちょこ口に入れてみたらどうかしら?それくらいの水分量なら増えても問題ないんじゃない?


kana
かな:それ、もう試しているんですね。でも、なんだかAさんはしっくりこないみたい。私も先生にいろいろ相談してみたところ、唾液が足りないからだろうということで、唾液を補充するスプレー薬を処方してくれたんです。それでもなんだかしっくりこないし、症状が変わらないって困ってました。


rin
りん:根本的な問題として、口腔ケアはちゃんとできているのかしら?


kana
かな:もちろんです。1日に1回は寝る前にしっかり歯磨きをしてると言っていました。では1日3回に増やしてみては?と提案したけれど、歯磨きしても、またすぐに口の中が粘つくって訴えてるんです。
高カロリー輸液によって、高血糖になりすい環境でもありますよね。すると、歯肉炎や歯槽膿漏にもなりやすい。そこから口の中のネバつきが生じている可能性もあるけれど、歯は数本しかないですしね。まあ、誤嚥性肺炎予防のためにも、口腔ケアはよりしっかりとしたほうがベストなんですけれど。


saki
さき:端座位をとるのも大変なAさんが、ほとんど食べてもいないのに1日3回も歯磨きするのって、本人も家族も大変じゃないかしら。歯磨きティッシュを側に置いて、気になるときに拭ってもらえばスッキリしないかしら?


rin
りん:それもやっているんですよね。
あの・・・私、この間、訪問に行ったときに気がついたんですが、Aさん、本当に唾液の分泌が少ないのかしら・・・。
本人によく話を聞いてみたら、口の中がネバネバして気持ち悪くて、そのうち唾液がたくさん出てきて、口の端から垂れてしまうことがあるって言っていたんですよ。
ということは、唾液が少ないというより多いのでは。食べてないために嚥下機能が低下して、自分の唾液を飲み込めなくなってきているのではないかしら。


次のページでは、意外な原因が判明!?