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【連載】下肢(あし)をみる!

【深部静脈血栓症】 3つの重要な検査(D-ダイマー他)と治療法

解説 小島 淳夫

東名厚木病院 医務部長 血管外科 医師

【目次】


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深部静脈血栓症(DVT)はどんな疾患?原因・症状は?

どんな検査があるの?

深部静脈血栓症を診断するためには、以下の表に示すようにさまざまな検査があります。

深部静脈血栓症の検査

中でも下肢静脈超音波検査や凝固線溶マーカーのD-dimer<ダイマー>(血液検査)などの検査が不可欠です。
その結果、深部静脈血栓症が疑われる場合は、造影CT検査など画像検査でさらに精査していきます。

特に重要な3つの検査を紹介します。

(1)下肢静脈超音波検査

深部静脈血栓症が疑われる場合、最初に行うべき検査です。
下肢静脈を超音波で描出して評価します。非侵襲的な検査であり、最近では機器の性能も向上しました。

●ここに注意!
中枢側の静脈(下大静脈、腸骨静脈)は、描出困難な場合もあります。鼠径靱帯以下の評価には有用ですが、それよりも上部の血栓が疑われる場合、CTなどの画像検査が必要となります。

(2)D-ダイマー(血液検査)

凝固線溶マーカーの1つ。血栓の存在により線溶現象が亢進し、D-ダイマーが高い値を示します。

深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症(※)の診断に有効な検査で、D-ダイマーが正常であれば、静脈血栓塞栓症・肺血栓塞栓症を否定できます。治療の効果を判定する際にも使用されます。

肺血栓塞栓症(PTE) :血栓が遊離して静脈血流にのって肺に移動し、肺動脈を閉塞する病態。原因のほとんどが深部静脈血栓症であることから、深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症は1つの連続した病態、さらには深部静脈血栓症の合併症が肺血栓塞栓症であると捉えられている。

●ここに注意!
D-ダイマーは、炎症、腫瘍、消化管出血、臓器出血、リンパうっ滞などでも上昇するため、陽性で必ずしも深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症と確定診断することはできません。他の検査と併せて診断する必要があります。

(3)造影CT検査

 血管内に注入した造影剤により血管の形態や走行、閉塞の状態を確認します。深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症を1回の検査で確認できます。機器の性能も向上していることから、CTは有用な検査です。
 
 これらの検査は診断のために行うだけでなく、検査結果を通して患者さんの血栓部位(範囲)・血栓(性状)・血流(還流障害)の把握とケアの判断に役立ちます。
 
 例えば超音波検査で“血栓の動揺あり”とあった場合、肺血栓塞栓症の発症リスクが高く、安静度について医師に確認する必要があります。

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