【連載】この心電図をみたら何をすべき?

第8回<読み方・対応編⑥>心室期外収縮 (PVC)

解説 大八木秀和

JCHO大阪病院循環器内科医長/日本循環器学会認定循環器専門医

(1)心電図波形の特徴

まずは期外収縮の意味を思い出してください(第4回参照)。

期外収縮とは、なんらかの理由で心筋の異常興奮が起こり、その結果、本来の収縮周期よりも早く収縮が起こることでしたよね。異常興奮の発生場所が心室の場合を心室期外収縮といいます(図1)。

                    図1 心室期外収縮
               
第4回でお話ししたとおり、心房性の期外収縮はQRS幅が3メモリ未満でしたが、心室期外収縮では、QRS幅が3メモリ以上ある(=幅が広い)のが最大の特徴です(図2)。

               図2 心室期外収縮の波形

異常興奮が心室の「同じ」場所からの発生している場合は、どのPVCも「同じ」形をしていますが、複数の場所から発生している場合(図3)は、PVCの形も複数(多源性)となります。特に図4のようなM字型のPVC(rSR’型)は、意外と知らない人もいるのではないでしょうか。くれぐれも注意が必要です。

                    図3 多源性心室期外収縮


               図4 多源性心室期外収縮の波形

(2)どんな病態?

心室内で心筋の異常興奮が起こり、その電気刺激が心室に伝わって起こる不整脈。刺激伝導系を介さないので、電気刺激の伝搬速度が刺激伝導系を介する場合と違って遅くなるため、QRS幅が広くなります(3メモリ以上)。

ちなみに、心室内の刺激伝導系の近くで起こった心室期外収縮が途中から刺激電動系を伝わる場合は、QRS幅はより正常に近くなります(3メモリ以上ではなく、どちらかいうと3メモリ未満に近づく)。

この部分は今後さらに心電図の理解が深まると出てくる疑問だと思いますが、いまのところはそうなんだなぁくらいの受け止め方で十分です!

(3)緊急度と看護師としての対応

ホルター心電図でみられる心室期外収縮の分類法にLown分類というものがあります。

Lown分類
・PVCの重症度を判断する指標の1つ
・もともとは急性心筋梗塞時に使用するものだったが、現在はそれ以外にも用いられている

Grade 0:PVCなし
Grade 1:PVC数<1個/分、または30/時
Grade 2:PVC数<1個/分、または30/時
Grade 3:多源性のPVCを認める
Grade 4a:2連発のPVCを認める
4b:3連発以上のPVCを認める
Grade 5:R on T型のPVCを認める

*基本的に3連発以上のPVCを心室頻拍(VT)という。また、心筋梗塞直後の場合は、Grade2以上で注意が必要

この分類は、重症度とは必ずしも一致はしないのですが、どのような心室期外収縮なのかを伝える際にとても便利なので、しっかり覚えましょう。心筋梗塞後の場合はLown2以上で、そうでない場合はLown3以上で医師に連絡する目安となります。

「心筋梗塞後のPTです。現在、Lown 2のPVCが頻発しています」

このような説明ができたら、医師もびっくり!!
頼もしい看護師さんとして注目されるようになるでしょう!