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【連載】下肢(あし)をみる!

弾性ストッキングの着脱方法と注意点~深部静脈血栓症を予防しよう~

解説 小島 淳夫

東名厚木病院 医務部長 血管外科 医師

深部静脈血栓症の予防として、弾性ストッキングを使用した圧迫療法があります。
今回は、弾性ストッキングの着脱方法と注意点を解説します。

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【目次】


弾性ストッキングのサイズ選びと採寸

深部静脈血栓症予防の圧迫圧は、強ければより効果が高いわけではありません。過不足のない適正な圧迫圧を得るためには、正確な採寸とサイズの選定が重要です。なお、サイズ表とサイズ選択の規定は各メーカーで異なるので、製品の添付資料に従います。

下肢の採寸と弾性ストッキングのサイズ選びのポイント

●足首は最も細い部位の周径を、ふくらはぎは最も太い部位の周径を測定する
※太さを複数方向から確認して測定部位を決める
●測定部位が決まったら、メジャーの浮きによる隙間やねじれがなく、ずれ落ちない程度に肌に密着させて、同一箇所を2回以上測定する
●サイズは、測定部位がすべて適用範囲内にあるものを選択する
●2つ以上のサイズに適合する場合は、中央値に近いサイズを選択する
●適合するサイズがない場合には無理に使用せず、包帯圧迫法など他の予防法について検討する

弾性ストッキングの注意点~有害事象とスキンケア~

サイズの不適合、ずれ、しわ、くびれなどの不具合があると、局所的に不適切な圧迫が加わり有害事象を生じることがあります。
観察を怠らないようにしましょう。

重大な有害事象には、皮膚潰瘍や壊死などの皮膚障害および血行障害、腓骨神経麻痺などの神経障害があります。これらの合併症を発症した場合、直ちに使用を中止します。

また、装着部位の発赤、水疱、発疹、かぶれなどの皮膚障害には、適切な対処をしたうえで、改善がみられる、あるいは悪化しないようなら、適正な使用管理による弾性ストッキングの装着を継続します。

圧迫療法による物理的刺激と化学的刺激が24時間加わるため、圧迫療法に耐えられる皮膚環境に整えることも重要です。皮膚障害が原因で圧迫療法を中止せざるを得ない状況にならないよう予防するには、弾性ストッキングの初回実施前に必ず、スキンケア(保清・保湿・保護)を実施します。
その後は、1日1回以上の履き直しを行う際に、皮膚の観察とスキンケアを怠らないことが重要です。

保湿保護剤は、広範囲の保湿が必要であることや生地への付着を考慮し、ローションなどを使用します。観察の際は、弾性ストッキングに起因する皮膚障害の好発部位に注意します。

弾性ストッキングによる足部の皮膚障害 好発部位

弾性ストッキングの着脱方法

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