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吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コツ

編集 ナースプレス編集部

Webサイト「ナースプレス」編集部

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*2016年11月18日改訂
*2017年8月15日改訂

吸引の目的

吸引とは、気道・気管内にカテーテルを挿入し、分泌物を除去することにより、呼吸困難感の軽減や肺胞でのガス交換を維持・改善する目的で行うケアです。吸引は、看護師にとって日常的に行うことの多いケアですが、侵襲度が高いため、まずは侵襲度の低い排痰法を実施し、それでも排痰ができない場合に吸引を行うことを選択します。
以前は、2時間ごとに吸引を行うとされていましたが、現在は、何時間ごとなど時間を決めて定期的に行うものではなく、気管吸引を実施するかどうかをアセスメントして見極めることが必要です。

吸引を実施するかどうかのアセスメントは、まず、痰が貯留しているのかどうかを見ていきます。さらに、痰が吸引できる位置にあるのかどうかを見極め、吸引を実施します。

痰が吸引できる位置にない場合は、体位ドレナージなどを行い、吸引可能な位置まで移動させます。また、痰の粘稠度が高いと痰が硬くなり、吸引が困難になります。その場合は、加湿を行い、痰を柔らかくして吸引しやすくします。

吸引の手技の基本や困難事例の対策方法を解説している記事を紹介します。



CONTENS

吸引の目的
吸引の適応を見極める
手順を把握し、できるだけ侵襲度の低い方法で実施する
吸引困難な場合の対処法を知っておこう
吸引をレベルアップできるオススメ記事



吸引の適応を見極める

まずは、患者さんが吸引実施の適応かどうかを見極めることが大切です。では、どのような状態の患者さんが適応となるのでしょうか。

日本呼吸療法医学会の気管吸引ガイドライン2013では、努力性呼吸が強くなっている、視覚的に確認できる、など適応が定められています。
アセスメントを行い、適応と判断できた場合に実施します。
2時間後となど、ルーティンで実施することは避けましょう。

また、気管吸引には絶対的な禁忌はありません。ただし、気管吸引を行うことで生命に危険を及ぼす場合や、病態の悪化をきたすことがあるので、実施時には十分に注意して行う必要があります。

吸引のアセスメントに関する記事
痰の吸引の条件やタイミングはこれで合ってる?
第19回 気管吸引 実施の見極めのポイント
「痰の貯留部位」を把握する触診法は?
痰のアセスメント(貯留部位の特定)5つのポイント


手順を把握し、できるだけ侵襲度の低い方法で実施する

アセスメントの結果、吸引が適応となり実施する際には、できるだけ患者さんに苦痛を与えないように実施することが大切です。手順等、基本的な知識を身につけておきましょう。

鼻腔吸引の手順

吸引の手順を大まかに以下のようになります。
①吸引の必要性をアセスメント
②吸引装置や吸引チューブなど必要物品を準備
③ベッドサイドへ行き、患者さんに吸引の目的と方法を説明する
④手指衛生を行う
⑤吸引チューブを解放し、準備する
⑥滅菌手袋を着用
⑥吸引用チューブを吸引器に接続したら、新鮮な水道水を入れた万能ツボを準備しておき、水道水を吸引し、吸引圧と吸引状態を確認
⑦再度、患者さんに断ってから、吸引チューブを挿入
⑧吸引する
⑨吸引後の状態を評価

鼻腔吸引に関する記事
第4回 鼻腔吸引の手順を確認しよう!

吸引に必要な物品

●吸引装置
●吸引用チューブセット
●万能ツボ2個
●滅菌手袋
●サージカルマスク・ビニールエプロン(必要に応じてゴーグル)
●アルコール綿
●新鮮な水道水
(必要があればジャクソンリースなど)

吸引に必要な物品に関する記事
吸引チューブは使い捨てが基本!
吸引する際に滅菌手袋を用いなければならない場合は?

挿入の程度、吸引圧、吸引時間

吸引チューブは、気管分岐部にあたらない程度に挿入し、吸引圧をかけ吸引を行います。この際の吸引圧は、気管吸引ガイドライン2013では、最大で 20kPa(150mmHg)が推奨されています。
吸引時間は7〜10秒程度にします。
吸引時は、患者さんの表情やSpO2、心電図など患者さんの状態を確認しながら実施します。

吸引カテーテルをどこまで挿入するべきか、1回の吸引時間はどのくらいまでかることができるのかなど、基礎知識を身につけておくことが大切です。

また基礎知識として、吸引カテーテルの取り扱いについても知っておきましょう。吸引カテーテルは基本的には滅菌された単回使用のチューブを使用することが前提となっています。
こういった管理の基礎知識を知っておくことも大切です。

吸引後のアセスメント

前述したように、吸引の目的は気道の確保・改善です。吸引後に、呼吸状態が改善されているかどうかを確認することが大切です。吸引後は、患者さんの呼吸状態やSpO2を確認しましょう。

気管吸引の合併症

気管吸引ガイドライン2013では、気管吸引の合併症として以下のようなものが挙げられています。

気管吸引の合併症
気管・気管支粘膜などの損傷、低酸素症・低酸素血症、不整脈・心停止、徐脈・頻脈、血圧変動・循環不全、呼吸停止、咳嗽による疲労、嘔吐、気管支攣縮(喘息発作)、不快感・疼痛、肺炎、無気肺、頭蓋内合併症(頭蓋内圧上昇、脳内出血、脳浮腫増悪など)、気胸


吸引困難な場合の対処法を知っておこう

看護師にとってよく行う手技であっても、患者さんの状態によってはうまく実施できないこともあるでしょう。そんなときにどう対応すればよいのかを知っておくことは大切です。

吸引困難な場合の原因を特定する記事
第1回 吸引で“困った!”その原因は何?

例えば、痰が固くて吸引できない場合は加湿を行いますが、ただ加湿すればよいわけではありません。まずは、痰が固くなった要因をアセスメントしましょう。痰が固いということは、体内の水分量が不足していると考えられます。ですから、in-outバランスが崩れていないか、脱水はないか、または発熱していて発汗しているのではないかといったことをアセスメントしましょう。
そのうえで、患者さんの状態に合わせて加湿していくことが大切です。

加湿に関する記事
【状態別】痰が固くて吸引できない時の加湿の方法

開放式吸引では、吸引中に患者さんが無呼吸となることを念頭に置いて、実施する必要があり、もともと低酸素状態の場合、さらに低酸素を招いてしまう可能性もあります。

開放式吸引のQ&A
第3回 Q&A~吸引処置に関する注意点(開放式吸引)~

どう対応する?状況別の困難事例に関する記事
第2回 「吸引しなくて大丈夫」と言う患者さんへの対応
第3回 いくら吸引しても痰が引けてこない患者さんへの対応
第5回 意識レベルが低くて吸引しにくい患者さんへの対応
第7回 認知症患者さんへの吸引
最終回 急変リスクが高い患者さんへの吸引
第5回 喀痰が多い気管切開患者さんにはどう対応する?


吸引をレベルアップできるオススメ記事

日々ベッドサイドで行っている気管吸引。高齢患者さんの増加に伴い実施する頻度も高まっているといえるでしょう。
看護師にとって気管吸引は、比較的身近であるわりには患者さんへの侵襲度が高く、苦痛も大きい処置だといえます。
そんな気管吸引をワンランク、レベルアップさせるための記事をセレクトしました!

1. 吸引チューブ、再利用して使わなければいけないときには?

【記事】吸引チューブは使い捨てが基本!

セミクリティカル器材に分類され、単回使用が勧められている気管吸引カテーテル。けれど在宅などでは、再利用しなければならない場面もあるでしょう。そんなとき知っておきたい吸引カテーテルの再利用方法、注意、リスクをまとめています。

2. 患者さんに寄り添った苦痛の少ない吸引の技法を紹介

【記事】吸引の苦痛を最小限にする6つのコツ

吸引カテーテルはむやみに奥に入れればよいわけではなく、推奨される挿入距離が決められています。もちろん管の太さも。また吸引時間や首の角度なども研究されています。
これらに基づき、吸引の苦痛を最小限にする工夫の数々を紹介します。

3. 胸郭の中の肺や気管支の構造を知って吸引を根本から理解しよう

【記事】痰のアセスメント(貯留部位の特定)5つのポイント

その吸引カテーテル、引きたい痰に届いていますか? 痰は引ける位置まで移動してきていますか?そこでまずはこの記事を読んで、胸郭の構造と肺の位置を確認。さらに触診や聴診を通して、痰の場所を知る方法を学びましょう。

4. 私の腕が悪いのか?痰を引くテクニックに注目してみよう

【記事】第3回 いくら吸引しても痰が引けてこない患者さんへの対応

音がするのに痰が引けないというのはよくあること。実はアセスメント方法に問題があることも。主に聴診器を使った排痰・吸引のアセスメントの仕方とともに、痰の貯留位置を動かすハッフィングの方法を合わせて紹介します。

5. カフ圧や吸引圧に注意、人工呼吸器装着中の吸引レクチャー

【記事】第18回 人工呼吸器装着時の吸引の手技・手順とは?

人工呼吸器管理下の吸引には開放式と閉鎖式がありますが、閉鎖式では、開放式に比べるとカテーテル操作がやや難しくなりがち。また高PEEP時には同じだけの効果は期待できないことも。そんな人工呼吸器管理下での吸引に関するレクチャーです。



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