【連載】山内先生の公開カンファランス

第28回 熱が下がらない患者さんにどんなケアをする?

解説 山内 豊明

名古屋大学大学院医学系研究科 教授 医学博士/看護学博士/医師/看護師/保健師/米国・登録看護師、診療看護師

今回の事例
熱が下がらない患者さん
[すがっちさんより提供された事例]
50代男性。昼間は畑仕事をしていましたが、夕方から発熱し熱が下がらないため受診。状況から全身観察したところ腕に何かに噛まれたような跡がうっすらあることから『ツツガムシ病』の診断で入院しました。
投薬開始、経過を見ていましたが熱は39~40度、解熱剤を使えば一旦下がりますが、効果がなくなるとまたすぐに高体温になり、患者さんは倦怠感で寝ていることが多くなりました。
ツツガムシ病ならある程度経過すれば投薬で改善してくるかと思いますが、全く効いている様子はなく何日経っても熱が下がるのは解熱剤が効いている間だけ。血圧や酸素化に問題はなく、血液検査でも、炎症反応が上昇している程度。看護師の間で徐々にこれは違う疾患なのでは? と疑問が出始めました。
→こんなときどうする?


この事例のような状態だったとき、あなたならどうするかをナース専科コミュニティの会員に聞きました。回答者数は81人。


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■山内先生の解説


みんなの回答

Q1 どのような情報を集めるか?

まずは、事例のような患者さんをケアするとき、どのような情報を集めるかをみなさんに聞きました。

●内服の履歴、発熱時間やパターン、尿量と色、自覚症状とその部位など(匿名さん)

●一般状態の観察、発熱の程度、発汗の有無とその程度、経口摂取状態の確認、虫に噛まれた部位の状態観察を続けます。血液検査では炎症の有無とその程度、肝機能値の変化を確認します(設定さんさん)

●感染徴候の把握のためWBCやCRPの検査結果を集める。その他、全身の感染症状や食欲や消化器症状をみる(匿名さん)

●熱中症も視野に入れて考える。血液データなど(きらりさん)

●他に何かに噛まれた記憶がないか確認。破傷風、炎症反応も確認(しまさん)

●高熱が持続しているため、感染症を疑い、ここ1・2カ月くらい前に海外に渡航したことがあるかないか、そこではやっていた病気などなかったかをまず確認する。最近何か動物などに噛まれた覚えはないか再度問診する。意識レベルの確認と、CRP・WBC・PLT・APTT・Dダイマーなどを感染症に関する項目を確認するとともに、髄膜炎も疑って項部硬直の有無や髄膜刺激症状などを確認する(Mさん)

●噛まれた部位の発赤・腫脹・局所の発熱・疼痛・噛まれた部位の動き(機能障害を起こしてないか)採血でCRPを見る(ゆうすけさん)

●血圧、呼吸数、脈拍、血液データ(炎症反応、肝機能、腎機能など)、食事摂取量、排泄の有無回数、噛まれた部位の観察(腫れ、熱感、太さ、幅など)、投薬開始日数、高温になりうる他の要因はないか環境要因や普段の生活環境、噛まれた時の状況を家族からも再度確認(いっちゃんさん)

●発疹の状態、できている場所、リンパ節腫脹の有無を見ます。ツツガムシ病なら、特有の発疹の経過がありリンパ節腫脹があるので。白血球数やCRPの値を見て感染状況を見ます(美少女さん)

●血液検査をしたらCRPの検査値を確認する。本人に、虫に刺されたことがないかを、確認する(ぷーさん)

●ツツガムシ病特有の症状確認としてCRP、肝酵素、発疹、リンパ節。他には気道症状の有無、熱型、頭痛の有無、水分in out、麻痺の有無、痛みの有無、発症前の状態聴取(ご老体さん)

●熱型、体温、バイタル、食欲、食事量、全身状態、患者の訴え。血液検査では炎症反応のCRP、WBCや分画、肝機能、総蛋白等の栄養状態。解熱剤使用頻度、抗生剤使用状況(まさん)

●海外旅行はいっていないか? または、海外旅行者が発熱し、接触していなかったか?(ひろさん)

●血圧、呼吸数、脈拍、血液データ(炎症反応、肝機能、腎機能など)、食事摂取量、排泄の有無回数、噛まれた部位の観察(腫れ、熱感、太さ、幅など)、投薬開始日数、高温になりうる他の要因はないか環境要因や普段の生活環境、噛まれたときの状況を家族からも再度確認(いっちゃんさん)

●血液検査の結果をみる。CRPや白血球の値をみて高ければ報告。熱の上がり方もつけておく。熱型をみていく。呼吸状態も観察(てまさん)

●畑仕事をされてたいのなら マダニの可能性もあると思いますので、全身を調べて虫の顔が皮膚に噛み付いたままになっていないかなど調べます。既往歴、呼吸、血圧、腹部の痛みの有無。炎症反応はどうか電解質のバランス、腎機能、尿量でしょうか?(まーさん)

●CRPの値、吐き気や目眩など頭部症状の観察、意識レベル、排便、排尿の状態、腹部症状の観察。脱水予防に注意して、水分出納量を観察する。(ゆっきーさん)

Q2 どのような状況であれば医師に報告するか?

次は情報を集めたとき、どのような状況であれば、医師に報告するかを聞きました。

●発熱に対して解熱剤の効果がない、パニックデータが出た場合、経口摂取ができない(設定さんさん)

●何日も継続する高熱、炎症反応も上昇している、他の疾患は疑われないか報告する(匿名さん)

●状況が変わらない。もしくは悪化するとき(きらりさん)

●動物に噛まれた。傷口に土が触れた。炎症反応高値(しまさん)

●最近アフリカに行ったことがあったり、蚊に刺されたことやネズミに噛まれたことがある場合、感染症の疑いがあるため、医師に報告する。項部硬直や髄膜刺激症状があった場合にもすぐ報告する(Mさん)

●CRPの上昇 噛まれた部位の発熱や疼痛持続(ゆうすけさん)

●噛まれた部位の異常、食事が取れていない、排泄回数が低下している、家族や患者さんから新しく得た畑仕事をしていた前後の情報、家の生活環境でヒントとなるような情報を得た時(他の感染症なども疑って)(いっちゃんさん)

●リンパ節腫脹があれば間違いなくツツガムシ病なので、報告します(美少女さん)

●バイタルサインに変化があったり、かまれた後の皮膚の状態に変化があれば、医師に報告します(CITYさん)

●40度前後の熱が下がらず、倦怠感が続き、活気がなくなったとき(リーフレタスさん)

●意識レベル悪化や、血圧、脈拍、皮膚状態をみてショックの恐れがあればすぐ報告します(あいさん)

●CRPなどがとても高ければ報告していく。畑仕事、土を触っていたことから破傷風なども考える。破傷風の予防接種歴も聞いていく(てまさん)

●意識レベルが低下したとき、また呼吸困難が認められ、酸素飽和濃度が90%以下のとき、頭痛が激しいとき(桜子さん)

次ページも引き続き、アンケートの結果を見ていきます。

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