1. トップ
  2. 看護記事
  3. 症状から探す
  4. 発熱
  5. 第28回 熱が下がらない患者さんにどんなケアをする?

【連載】山内先生の公開カンファランス

第28回 熱が下がらない患者さんにどんなケアをする?

  • 公開日: 2016/8/16

今回の事例
熱が下がらない患者さん
[すがっちさん より提供された事例]
50代男性。昼間は畑仕事をしていましたが、夕方から発熱し熱が下がらないため受診。状況から全身観察したところ腕に何かに噛まれたような跡がうっすらあることから『ツツガムシ病』の診断で入院しました。
投薬開始、経過を見ていましたが熱は39~40度、解熱剤を使えば一旦下がりますが、効果がなくなるとまたすぐに高体温になり、患者さんは倦怠感で寝ていることが多くなりました。
ツツガムシ病ならある程度経過すれば投薬で改善してくるかと思いますが、全く効いている様子はなく何日経っても熱が下がるのは解熱剤が効いている間だけ。血圧や酸素化に問題はなく、血液検査でも、炎症反応が上昇している程度。看護師の間で徐々にこれは違う疾患なのでは? と疑問が出始めました。

→こんなときどうする?


この事例のような状態だったとき、あなたならどうするかをナース専科コミュニティの会員に聞きました。回答者数は81人。

山内先生の解説を先に読みたい方はこちら
■山内先生の解説


みんなの回答

Q1. どのような情報を集めるか?

まずは、事例のような患者さんをケアするとき、どのような情報を集めるかをみなさんに聞きました。

●内服の履歴、発熱時間やパターン、尿量と色、自覚症状とその部位など(匿名さん)

●一般状態の観察、発熱の程度、発汗の有無とその程度、経口摂取状態の確認、虫に噛まれた部位の状態観察を続けます。血液検査では炎症の有無とその程度、肝機能値の変化を確認します(設定さんさん)

●感染徴候の把握のためWBCやCRPの検査結果を集める。その他、全身の感染症状や食欲や消化器症状をみる(匿名さん)

●熱中症も視野に入れて考える。血液データなど(きらりさん)

●他に何かに噛まれた記憶がないか確認。破傷風、炎症反応も確認(しまさん)

●高熱が持続しているため、感染症を疑い、ここ1・2カ月くらい前に海外に渡航したことがあるかないか、そこではやっていた病気などなかったかをまず確認する。最近何か動物などに噛まれた覚えはないか再度問診する。意識レベルの確認と、CRP・WBC・PLT・APTT・Dダイマーなどを感染症に関する項目を確認するとともに、髄膜炎も疑って項部硬直の有無や髄膜刺激症状などを確認する(Mさん)

●噛まれた部位の発赤・腫脹・局所の発熱・疼痛・噛まれた部位の動き(機能障害を起こしてないか)採血でCRPを見る(ゆうすけさん)

●血圧、呼吸数、脈拍、血液データ(炎症反応、肝機能、腎機能など)、食事摂取量、排泄の有無回数、噛まれた部位の観察(腫れ、熱感、太さ、幅など)、投薬開始日数、高温になりうる他の要因はないか環境要因や普段の生活環境、噛まれた時の状況を家族からも再度確認(いっちゃんさん)

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

発熱した患者さんへの看護計画|尿路感染の患者さん

尿路感染症による発熱に対する看護計画  尿路感染症とは腎臓から尿道までの尿路のどこかに生じた感染症です。男性の場合は前立腺や精巣などに生じた感染症も含まれます。入院患者さんの発熱の要因の一つとして考えられる可能性があるため看護計画を立案してみました。 POINT観察計

2023/1/31

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
4位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
5位

SIRS(全身性炎症反応症候群)とは?基準は?

*この記事は2016年7月4日に更新しました。 SIRS(全身性炎症反応症候群)について解説します。 SIRS(全身性炎症反応症候群)とは? SIRS(全身性炎症反応...

250839
6位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
7位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
8位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
9位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949
10位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636