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【連載】訪看ステーション「よつば」の公開カンファレンス

CASE04 理解力に合わせたアプローチの工夫を

執筆 川上 加奈子(かわかみ かなこ)

株式会社のものも よつば訪問看護リハビリステーション 看護主任

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Yotuba

困難事例4「理解力が低く血糖コントロールが難しい」ケース

70歳男性、Aさんは20年前から糖尿病を指摘されていたが放置していた。
昨年10月、糖尿病が悪化し血糖管理を目的として3か月程度、入院している。
退院時のカンファレンスでは、「病識がなく内服管理も難しいと思われる。インスリンや血糖測定の手技は入院中の指導でも困難だったため期待はしていない。安否確認ができればそれでよい」という、病院としても指導の限界を感じていることを表したようなサマリーつきの退院だった。
Aさんは、長い文章は内容を理解できず、少し複雑な会話でも混乱してしまう状態。
またAさんは、統合失調症の診断は出ていないものの、常に人に見張られているという被害妄想があり、近所や病院でもトラブルが多くあった様子。
妻は他界しており独居。子供は遠方に住んでいては困難な状況である。

カンファレンスの視点

糖尿病が悪化し、血糖コントロールを目的として入院したが、病職がないために内服やインスリン管理が難しく、病院からも限界を感じているようなサマリーがきたケースである。
こういうケースに訪問看護が入ったとき、どのようにかかわればよいかをスタッフ全員でカンファレンスすることになった。


rin
りん:皆さんだったらどう対応しますか?病院で行った糖尿病の教育入院でさえ難しくて、半ば諦めの状態で退院。安否確認のために訪問看護が始まった状況ですよね。

honoka
ほのか:まず、お薬カレンダーに薬をセットして。
インスリンの注射はどこまで1人でできるのかを見ないとですね。もし、1人で注射をセットすることはできたとしても、食事に合わせて打てない人もいますしね。

kana
かな:カロリーの低い宅配のお弁当を頼むことで、食事制限をかけるのはどうですかね。お金はかかりますが・・・。

ta-tin
たーちん:家族がいればこまめな声かけで、内服管理や注射はできるかもしれませんね。でも独居で家族も遠方となると難しいですね。

kana
かな:食生活はどんな感じなのかを把握する必要もありますよね?どうしても独居の高齢者だと、そのまま食べられて日持ちのする菓子パンなどを食べることが多かったりもするので。

honoka
ほのか:そうですね。あとは間食回数や一回に食べる量などですね。ただ、在宅は病院ではないので、生活スタイルを変更するのは難しいでしょうね。

rin
りん:Aさんは実は元料理人だったので、毎日調理にはすごく時間をかけて丁寧に三食作られていたようです。菓子パンなどはあまり買わず、栄養バランスのいいものをご自身で作られていました。ただ、カロリー計算などはできないので、「食べたいものを作り食べる」というスタンスだったようです。
むしろ、低カロリーの配食サービスを試しても2日で中止。理由は「味が悪いし値段の割に量が少ない」など、意思はハッキリしていたようです。

honoka
ほのか:う〜ん・・・食事制限も困難そうですね。食事量を調整するのも難しいとなると、内服とインスリン注射をしっかりやるしかないですね。でもどうやって指導するか、ですよね。



次のページでは、Aさんとの取り組みの方法を紹介します。