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【連載】訪看ステーション「よつば」の公開カンファレンス

CASE03 「家族の協力が得られず、社会からも孤立している」ケース

執筆 川上 加奈子(かわかみ かなこ)

株式会社のものも よつば訪問看護リハビリステーション 看護主任

Kawakami02

Yotuba

困難事例3「家族の協力が得られず、社会からも孤立している」ケース

Aさんは平成20年に脳梗塞を起こし、左上下肢不全麻痺になり、車椅子生活となった。

娘が1人いるがうつ病があり、社会生活にもともとあまり馴染めていなかった様子である。車椅子生活になってからは、夫がAさんの介護と仕事を両立していたが、平成24年9月、夫が亡くなり生活保護の受給を受けるようになった。その後、娘のうつ病はさらにひどくなり、精神科から処方される薬の内服もままならなくなった。Aさんは自立を目指し、車椅子で家事がこなせるように住宅改修を行い、掃除、洗濯、食事も作っているが、麻痺があるためかなり時間もかかり大変な状況である。

頼りの娘は、「家事をするのはお母さんのリハビリになるから手伝わないの」と話し、最低限しかかかわろうとしない。Aさんは、娘にもっとしっかりしてほしいと思っているものの、自分の子育てで娘が引きこもりになってしまったという自責の念があり、叱ることができずにいる。
娘は、訪問看護師がAさんを訪問すると、「お母さんばかりずるい」と泣くこともあり。そのため、看護師が娘の話を聴いてあげていると、娘は落ち着き、Aさんもホッとした表情になるため、実質2人の訪問に入っているような状況である。
現在、娘は症状が悪化し、精神科の受診や内服も中断。入浴や歯磨きなどの基本的な保清行為さえできず、一日中寝ている。

Aさんと娘は、近所との交流も全くなく、日中も家中の窓を閉め切っており、社会から完全に孤立している。どうにもならない現実に「このまま死んでしまってもいい」とAさんは訴えることもある。

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