【連載】訪看ステーション「よつば」の公開カンファレンス

CASE06 患者さんのために臆することなく積極的に医師との連携を!

執筆 川上 加奈子(かわかみ かなこ)

株式会社のものも よつば訪問看護リハビリステーション 看護主任

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困難事例6 下肢の難治性褥瘡を疼痛コントロールしているターミナルのケース

脊髄損傷から寝たきりのAさん(70歳、女性)。
長年、誤嚥性肺炎を繰り返し、治療を続ける間に、ほとんどの抗生剤に耐性がついてしまい難治性肺炎となった。
病院からは「入院していても肺炎に関してはもう治療がなく、発熱に対して解熱剤で下げるしかありません。それならば自宅で療養されたほうがよいのでは」と提案があり、在宅へ戻った。すなわちターミナルとみなされての退院であった。
酸素化はなんとか保たれているが、つねに胸膜炎を起こしているため、呼吸により胸痛が出る。また、下腿には多数褥瘡が形成されており、左の膝下はほぼ空洞化している。この傷からの痛みと、脊髄損傷からの異常知覚による焼けるような痛みが強く、疼痛によりほとんど眠れない様子である。
家族からは、いっそ下肢を切断できないかと相談があったが、体力が落ちており手術はできない状態。
検査値は、CRP15mg/dL、WBC10万/μL、ヘモグロビン7.5g/dL
ソセゴン15mg、アタラックス-P50mg、生食50mlの混注を1日2回ドリップし、間にボルタレン座薬を使用することで疼痛コントロール中。高カロリー輸液は中心静脈から1日に1,500mlを持続点滴中である。


カンファレンスの目的

病院からは、すでに肺炎に対しては、治療方法がないといわれ、在宅を勧められたターミナルのケースである。下肢に多数の褥瘡があるが、体力がないことから根治的な治療はできない状況である。ただし疼痛が強いことから、家族から痛みのタイミングに合わせた鎮痛薬の使用ができないかと持ちかけられ、よつばステーションでは可能性に向けて、カンファレンスを開くこととなった。


rin
りん:治療方針はもちろん、先生と家族が決めるものですよね。ですが、細かい情報は毎日訪問している私たちが拾わないと先生もわかりません。
ターミナルだからこそ、諦めないで少しでも苦しくなく生活できるよう、先生と密に連携していったほうがいいと思うのですが、私達にできることはこれ以上何かないでしょうか?

saki
さき:そうですね・・・。痛みのコントロールに関しては、病院では10時と22時にソセゴンとアタラックス-Pをドリップしていましたが、在宅では、それほど時間はきっかりにしなくてもいいのではないかと。
ドリップで落とす場合は即効で効くけれど、効果の持続時間は短くなりますので、22時の訪問時に眠っていたらセットだけして、痛みが出たら家族にクレンメを開けてドリップしてもらえばいいのではないかと思います。

honoka
ほのか:たしかに。ご家族もそのほうがいいと話していました。痛みの出具合はパターン化している訳ではないため、痛みが出始めてから薬を使いたいと。24時間を側についていらっしゃる家族にとっては、痛み止めは唯一の切り札みたいなもの。本人の痛がるタイミングに合わせて使ってあげたいですよね。

kana
かな:以前、痛みが出ないように低濃度の痛み止めを持続点滴していましたが、それも効果が薄れてきたため、現在の方法に切り替えているのですものね。ご家族も希望されているならば先生に相談してみましょう。


     ***

こうして、医師に相談したところ、1日2回のドリップの間隔はきっかり12時間ではなく、状況に合わせてずらしてよいということになった。
代わりに、家族にドリップの指導をすること、また点滴はクレンメを解放すれば開始できる状態にまで訪問看護師がセットしておくようにとのことであった。


次ページでは、Aさんの輸液量について、よつばスタッフがカンファレンスします。