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看護研究とは?テーマ選びと書き方(計画書、分析方法など)まとめ

編集 ナースプレス編集部

Webサイト「ナースプレス」編集部

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看護研究は、大学や大学院だけでなく臨床でも多く行われています。研究という言葉、どう進めたらよいのかわからないといったことや、通常の業務外で行わなければならないことから、苦手意識を感じている看護師も多いのではないでしょうか。
現場での疑問や問題が研究課題となり、臨床で看護研究を行うことは、看護の質の向上につながります。現場での疑問や問題が研究課題となり得ます。看護研究は、テーマを決定するところから始まります。まずは日頃、自分が疑問に思っていること、知りたいと思っていることを研究疑問に置き換え、概念枠組みを作成していきます。その上で、文献を探し過去に類似の研究がないかを確認します。それが終わったら、研究計画を立てデータを収集し、分析をしていきます。この一連の流れのなかでどのようなことをすればよいのかをまとめました。



CONTENTS

看護研究とは?
プロセス1 研究テーマの決定・概念枠組みの作成に役立つヒント
 本当に「知りたい」ことからテーマを見出す
 自分の疑問を研究デザインにあてはめる
 疑問を「研究疑問」に置き換える
 「答え」をあらかじめ用意する
プロセス2 文献検討に役立つヒント
 文献検討の目的を知る
 文献検索のテクニック
プロセス3 研究計画の立案に役立つヒント
 研究計画書の構成と書き方
 研究には倫理的配慮が重要
プロセス4 データ収集に役立つヒント
 Type1因子探索研究のデータ収集の方法
 Type2実態調査研究とType3関係探索研究のデータ収集の方法
 Type4比較研究とType5準実験研究のデータ収集方法
 Type6実践報告のデータ収集方法
 質問紙法とは?
  効果的なアンケート(質問紙)の作成方法
プロセス5 データ分析に役立つヒント
 アンケート(質問紙)の集計と分析方法
 統計分析を看護に適用するには?
 質的分析(Type1因子探索研究)の方法
プロセス6 結果・考察に役立つヒント
 論文の書き方
看護研究を行うときに読んでおきたい書籍



看護研究とは?

歴史を遡れば、ナイチンゲール(Nightingale F)が初めて行ったという看護研究。看護研究とは、患者さんにより良い看護を提供するために、看護の事象(現象)の基盤となる知識や理論を形成し、既存の看護学の中に新たに付け加えていくことです。
看護研究は、以下のようなプロセスで行います。
1 研究テーマ(研究課題)の決定・概念枠組みの作成
2 文献検討
3 研究計画の立案
4 データ収集
5 分析
6 結果・考察
ここでは、それぞれのプロセスにおいてヒントとなる記事を紹介していきます。


プロセス1 研究テーマの決定・概念枠組みの作成に役立つヒント


本当に「知りたい」ことからテーマを見出す

今や看護研究は卒後教育の一つとして、多くの病院で取り入れられています。しかし、看護研究は輪番制で担当になることがほとんどで、自ら進んで行うのではなく、“順番がきたから仕方なくやる”という声が多いようです。
多忙な業務の中で行う看護研究。せっかくなら、前向きに楽しく取り組みたいものです。それには、日常の看護業務のなかで感じた疑問や問題など、自分が本当に「知りたい」と思うことから研究のテーマを見出すことが大切です。

■オススメの記事はこちら
自分が知りたいこと」をとことん大事に
テーマのモトは現場のギモン


自分の疑問を研究デザインにあてはめる

研究テーマを決定するには、自分の疑問がどの研究デザインにあてはまるのかを検討します。研究デザインとは、いわば研究の設計図のようなもの。研究デザインは以下の6タイプがあります。

研究デザイン 概要
Type1:因子探索研究 問いに対して何がそこにあるのかもわかっていない研究のこと
Type2:実態調査研究 気になる現象に対して、その内容や程度など、全体像を知りたいという研究のこと
Type3:関係探索研究 気になる現象について、それがなぜ起こっているのか、その原因を知りたいという研究
Type4:比較研究 比較によって違いを明らかにする研究
Type5:準実験研究 実際に看護を行って、その効果を確かめるタイプの研究
Type6:実践報告 病棟で何か新しい取り組みをする

あなたの「問い」はどの研究にあてはまる?


疑問を「研究疑問」に置き換える

自分の疑問に対する研究デザインのタイプを確認したら、研究タイプ別に決められた言葉で「研究疑問」に置き換えていきましょう。研究疑問とは、研究で明らかにしたいことを明示するもの、つまり研究の目的です。

テーマを「疑問」の言葉に置き換える


「答え」をあらかじめ用意する

研究疑問ができたら、疑問に対する「答え」をあらかじめ用意しておきます。答えが全く想像つかないと、質問紙や調査票を作成できないからです。最初に用意した「答え」が本当に合っているのかを、研究によって確認していきます
ただし、Type1因子探索研究は、データに基づいて「答え」を作り出していくタイプの研究のため、答えを用意する必要はありません。

自分で答えを考えることはもちろん大切ですが、ほかのスタッフや他職種、専門家などに意見を聞いてみるのもよいでしょう。また、文献で調べることも重要です(文献検索については次項で説明)。
 この時点で得た答えを「概念枠組み」に記します。概念枠組みとは、研究テーマにおける研究者の考え方を示すものです。
 
概念枠組みには「研究疑問」「疑問に対する答え」「研究疑問で使った重要な用語の定義づけ(用語の操作的定義)」「対象者の説明」を記します。
 この概念枠組みは、研究計画書の立案やデータを収集するときに役立ってきます。

■概念枠組みとは?
「答え」を「概念枠組み」に書いてみる

■概念枠組みに必要な要素
「答え」を「概念枠組み」に書いてみる

研究デザイン別の詳しい概念枠組みの書き方は、「プロセス4 データ収集に役立つヒント」で紹介します。


プロセス2 文献検討に役立つヒント


文献検討の目的を知る

研究では、テーマが明らかになったら、関連する先行文献を検索し、その内容を確認する必要があります。まずは、文献検討の目的をしっかりと把握しましょう。第一の目的は、研究の周辺事項やキーワードを確認すること、2つ目は研究テーマにおける疑問が先行文献によって解決するかどうかを確認することです。

第2回 看護研究の「問題と目的」を書く(2)文献の検討


文献検索のテクニック

文献検索には、インターネット上の文献検索システムが有用です。日本看護協会の会員であれば、国内発行の看護文献のデータベースを検索できる「最新看護索引Web」を無料で利用することができます(要登録)。

検索するには、まずはキーワードを決める必要があります。キーワードは、研究疑問に使った言葉です。さらに、ほかの言い方(同義語)についても検索していきます。

文献検索を賢く使おう!


プロセス3 研究計画の立案に役立つヒント


研究計画書の構成と書き方

研究計画書とは、何を目的に、いつ、誰に、何を、どうやって、研究を行うのかをわかりやすく説明するためのものです。研究計画書の構成は、研究テーマ、研究の背景と動機(文献検索結果を含む)、研究目的、概念枠組みと用語の定義、研究方法(倫理的配慮を含む)、予算、スケジュールなどです。

■テーマと研究の背景と動機の書き方
研究計画書の書き方(その1)

■研究目的と用語の定義の書き方
研究計画書の書き方(その2)


研究には倫理的配慮が重要

研究計画を立てるにあたり、把握しておかなければならないのが倫理的配慮です。看護研究によって、患者さんの権利や尊厳を侵害しないように、研究の準備段階から論文の発表、さらには実践への活用といった全てのプロセスにおいて、倫理的配慮を徹底する必要があります。意義や必要性がない研究は倫理に反することを覚えておきましょう。

■倫理的配慮に関する記事はこちら
倫理に配慮するポイント

■研究方法の書き方
研究計画書の書き方(その3)


プロセス4 データ収集に役立つヒント

 データの収集方法は、研究デザインのタイプ別に異なります。ここでは、タイプ別のデータ収集方法やデータ収集のために必要な概念枠組みの書き方などについて紹介します。


Type1因子探索研究のデータ収集の方法

 Type1因子探索研究では、ほかのタイプの研究と異なり、「問い」に対する「答え」は研究を行うまでわかりません。答えを導き出すには、データ収集と分析を交互に繰り返していきます。データ収集法には、半構成的面接法と観察法がよく用いられています。

この研究タイプで得られるデータは、面接で語られた言葉や観察したことを書き留めた「文字」です。こうした数値化できない、言葉(文字)を分析する研究を「質的研究」といいます。一方で、数字を分析する研究は「量的研究」といいます。

■半構成的面接法について
言葉のデータから答えを作り上げる

■観察法について
第4回 観察法を使った看護研究

■データ分析をエクセルで行う方法
言葉のデータから答えを作り上げる


Type2実態調査研究とType3関係探索研究のデータ収集の方法

 Type2実態調査研究Type3関係探索研究では、概念枠組みの「対象者の基礎データ」(基本属性)と「答え」からデータ収集項目を作成します。Type3関係探索研究では、中心となる用語が加わります。

データ収集項目が決まったら、それに沿った質問文を作成します。質問文を作る際には、データ収集項目の測定方法を決める必要があります。器具を用いた測定、既存の尺度(スケール)の利用などがあります。研究によっては、そうした既存の測定方法を使わず、独自の尺度を作成する場合もあります。

■Type2実態調査研究の概念枠組みの書き方
【看護研究】データ収集する前の重要なステップ

■Type3関係探索研究の概念枠組みの書き方
【看護研究】データ収集する前の重要なステップ

■Type2実態調査研究・Type3関係探索研究のデータ収集方法
【看護研究】概念枠組みをデータ収集につなげる


Type4比較研究とType5準実験研究のデータ収集方法

Type4比較研究とType5準実験研究では、概念枠組みの「対象者の基礎データ(基本的属性)」、「答え」、「コントロール」からデータ収集項目を作成します。

コントロールとは、対象者の条件を限定して対象者のばらつきを抑えたえり、統計的に両群の条件をそろえるなど、原因以外に影響する項目(外部変数)を可能な限り調節することです。
 準実験研究では、実験手順を明確に示す必要があります。実験の効果を示すために数値による統計的な分析を行うため、できるだけ血圧や心拍数などの連続した数字のデータ、または既存の尺度(スケール)を使いましょう。

■Type4比較研究
【看護研究】 因果関係を明確に示すデータの収集ポイント(その1)

■Type5準実験研究
【看護研究】 因果関係を明確に示すデータの収集ポイント(その2)
第5回 実験法を使った研究


Type6実践報告のデータ収集方法

Type6実践報告では、概念枠組みに書いた方法で実践を行い、実践状況、問題解決の評価や実践状況の評価、対象者の基礎データについてデータ収集を行います。

■Type6実践報告のデータ収集方法についての記事はこちら
【看護研究】実践の研究で問題解決を目指す


質問紙法とは?

 質問紙法とはいわゆるアンケート調査のことです。質問紙法はType1因子探索研究以外の研究で、最もよく用いられています。短時間に調査が行えること、費用も安価で済むというメリットがあるものの、欠点も多いのも特徴です。
質問紙を使わずに、対象者に面接して調査する面接法もあります。面接法は、質問紙法よりも対象者の意識の深いところまで知ることが可能です。

■質問紙法についての記事はこちら
第3回 質問紙法とは?質問紙法と面接法を使った研究


効果的なアンケート(質問紙)の作成方法

回答しやすく回収率が上がる質問紙を作成するには、コツがあります。以下に、そのコツを紹介します。

■質問文と選択肢の作成する際のポイント
【看護研究】 アンケートの作り方(その1)

■表計算ソフトExcelの活用
【看護研究】 アンケートの作り方(その2)

■配布~回収までにやるべきこと
【看護研究】 アンケートの作り方(その2)


プロセス5 データ分析に役立つヒント


アンケート(質問紙)の集計と分析方法

 質問紙を回収したら、回答を集計し、分析する必要があります。集計は、表計算ソフトExcelを使って行うとよいでしょう。統計手法には、統計学の基本である、集団全体の特徴を表す「記述統計」と、得られたデータから母集団を推測する「推測統計」があります。

 推測統計の手法には、χ2検定やt検定があります。χ2検定は、Type2実態調査研究やType6実践報告で、t検定はType4比較研究やType5準実験研究でよく使われています。

■記述統計(度数分布・平均値と標準偏差・中央値・比率、2つの質問項目の相関関係)
【看護研究】 データの集計方法

■推測統計の基本
【看護研究】 推測統計の手法(その1)

■推測統計(χ2検定)
【看護研究】 推測統計の手法(その2)

■推測統計(t検定)
【看護研究】 推測統計の手法(その3)


統計分析を看護に適用するには?

統計分析を出したものの、読み方がわからなかったというのでは意味がありません。統計分析の結果を解釈し、看護に適用することが重要です。

■統計分析を看護に適用する方法についての記事はこちら
【看護研究】 統計分析を看護に適用する方法


質的分析(Type1因子探索研究)の方法

質的分析(Type1因子探索研究)の場合、言葉など数量によって客観的に評価できないデータ(質的データ)を分析します。質的分析にはいろいろな手法がありますが、ここではそれらの手法に共通した特徴と看護研究でよく用いられる質的帰納法の手法の一つについて、紹介します。

■質的分析の特徴
第7回 質的分析と結果表示

■質的帰納法(半構成的面接法によるデータを例に)
【看護研究】 言葉の分析法(その1)
【看護研究】 言葉の分析法(その2)
【看護研究】 言葉の分析法(その3)
第7回 質的分析と結果表示


プロセス6 結果・考察に役立つヒント


論文の書き方

研究論文は、行った研究とそれによって得られた結果を、読み手に正しく伝わるようにわかりやすく書きましょう。順序立てて、わかりやすく書くことが必要で、これまでに書いた研究計画書や概念枠組みをもとに書くと効率的です。
論文の構成の基本的柱は「はじめに」「方法」「結果」「考察」です。

■論文タイトル(題名)・はじめに・方法
【看護研究】 わかりやすく伝わる論文の書き方(その1)

■結果・考察・まとめ・文献
【看護研究】 わかりやすく伝わる論文の書き方(その2)
第8回 考察を書き、全体を整える

■読みやすい文章の書き方のポイント、図表の作り方
【看護研究】 わかりやすく伝わる論文の書き方(その3)


看護研究を行うときに読んでおきたい書籍

[新版]看護研究サクセスマニュアル
https://nursepress.jp/3416

看護研究の実践事例に基づいて、作り方を具体的にアドバイス。インターネットによる文献検索や論文のまとめ方、発表にも役立つ、ナースや看護学生に向けた実践的な解説書。



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