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人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

編集 ナースプレス編集部

Webサイト「ナースプレス」編集部

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みんなが苦手な人工呼吸器

多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼吸器に関する記事を紹介します。
*2017年9月21日改訂


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人工呼吸器とは

人工呼吸器は主に肺胞換気の維持、酸素化の改善、呼吸仕事量の軽減、原疾患や炎症による障害の進展の悪循環を断ち、寛解するまでの時間をかせぐといった主に4つの目的のために、装着されます。目的をよく知っておくこと、また、装着することでどんなリスクが発生するのかも確認しておきましょう。

人工呼吸器が必要な患者さんとは? 装着の目的とリスク

呼吸器の構成

人工呼吸器はさまざまなパーツで成り立っています。組み立てや器具の不具合は、構造を知らないと気づくことができません。異常の早期発見のためにも、構成を知っておくことは大切です。

人工呼吸器は呼気回路と吸気回路に分かれています。吸気回路では、機械から送られてきた空気を加温加湿器を通し、加湿された状態で患者さんに送ります。一方、呼気回路では患者さんの呼気を機械に戻しますが、回路内に結露が発生するので、ウォータートラップを設置する必要があります。

呼気回路と吸気回路はYピースへ接続させてから、患者さんの気管チューブと繋ぎます。加温加湿器を使用している場合は必要ありませんが、使用していない場合は、気管チューブに接続する前に人工鼻を繋げます。加温加湿器と人工鼻は、併用すると目詰まりをおこしてしまうので注意します。

人工呼吸器は、停電時対応出来るよう緑色のコンセント(不可能であれば赤色)に接続します。また、圧縮酸素(緑色)と圧縮空気(黄色)のコードがきちんと接続されているかも確認します。

人工呼吸器の種類(侵襲的陽圧換気/IPPVと非侵襲的陽圧換気/NPPV:non-invasive positive pressureventilation)

人工呼吸器(侵襲的陽圧換気/IPPV)とは、人工気道を介して酸素と空気と混ぜて人工的に肺に送り込む器械です。主に呼吸不全の原因疾患を治療する際に、呼吸の保助を目的に人工呼吸器を用いた人工呼吸療法を行います。

NPPVは気管に挿管して行う人工呼吸管理に比べ、侵襲度が低い、人工呼吸器関連肺炎(VAP)や肺の圧損傷といった合併症が少ないといったメリットと、呼吸の改善(血液ガスの改善)効果が確実ではなかったり、気道と食道が分離できない(気道確保ができない)といったデメリットもあります。
また、うまく導入するためにはマスクフィッティングが欠かせません。
NPPVのメカニズム、導入基準や中止基準など、基本的な知識を身につけておきましょう。

NPPVに関する記事
NPPVとは?目的と適応、導入/中止基準
【NPPV】マスクの特徴・種類とフィッティング方法
NPPVの特徴と種類
NPPVの条件設定とモニタリングの手順
NPPV中の患者さんが抑うつ状態になってしまったら?

人工呼吸器の設定・管理

人工呼吸器の換気モード

人工呼吸器の換気モードを設定する際には、まず基本として量規定換気と圧規定換気について理解しておきましょう。その上で、それぞれのモードを設定していきます。モードは機種によって呼び名が違っていることがありますが、大まかによく知られているA/Cモード、SIMV、CPAPなどについて知っておきましょう。
また、人工呼吸器を苦手に思う要因の1つに用語がよくわからないということも含まれているのではないでしょうか。PEEPなど、用語についても解説している記事を紹介します。

換気モードに関する記事
換気モードの基本! 「量規定換気」と「圧規定換気」の違い
人口呼吸器の用語「PEEP」とは?意味は?
人工呼吸器でよく聞く「ポーズ時間」って?

IPPV(侵襲的陽圧換気)

A/C(補助/調節換気)

自発呼吸の有無に合わせて、補助換気と調節換気を行います。一定時間内に自発呼吸があった場合は、患者さんの吸気に同調するように補助換気します。また、一定時間内に自発呼吸がない場合は、設定された時間間隔で調節換気します。
急性期治療において、A/Cモードは呼吸管理が必要なときのみだけでなく、肺の仕事量を軽減したいときに使用されることもあります。

換気モードに関する記事
サクッとわかる! A/Cモードの概要と3つの観察ポイント

SIMV(同期的間欠的強制換気)

SIMVは主に自発呼吸が現れ始めた患者さんに使用されます。自発呼吸に合わせて換気回数を減らすことができるので、人工呼吸器への依存度を少なくすることができます。
自発呼吸が設定換気回数を下回ると強制換気を行い、自発呼吸が設定換気回数を上回ると補助換気は行なわないため、過換気になる危険性がありません。

換気モードに関する記事
サクッとわかる! SIMVの概要と2つの観察ポイント
【人工呼吸器】SIMVの特徴と設定項目

CPAP (持続陽圧換気)

患者さんの自発呼吸にPEEP(呼気終末陽圧)を付加したモードであり、自発呼吸のない患者さんには使用できません。CPAPでは多くの場合、PSを追加し自発呼吸をサポートするので、離脱の前段階として用いることが多いです。

換気モードに関する記事
人工呼吸器のCPAP(シーパップ)の概要と2つの観察ポイント

APRV(気道圧解放換気) 

CPAPの改良版で、CPAPと同様に自発呼吸があることが前提です。自発呼吸との同調性がよく、肺の圧損傷のリスクが少ないため、重症呼吸不全の患者さんにも使われています。

持続的に高いPEEPをかけ、間欠的にPEEPをゼロにして(0.4~0.6秒)圧を開放します。

自発呼吸と同期はしませんが、高い圧がかかっている間に自発呼吸があると横隔膜が広がり、さらなるガス交換の改善が期待されます。

換気モードに関する記事
【人工呼吸器】APRVの特徴と設定項目

NPPV(非侵襲的陽圧換気)

Sモード

自発呼吸を感知して作動するモードで、IPAPとEPAP、呼吸数は患者さんによって変化します。

Tモード

自発呼吸とは無関係に作動するモードで、あらかじめ設定された吸気時間に合わせ、IPAPとEPAPが切り替わります。

S/Tモード

ベースはSモードで、自発呼吸に合わせて作動しますが、呼吸を感知しなくなるとTモードに切り替わります。

CPAP

SAS(睡眠時無呼吸症候群)に用いられることが多いモードで、一定の陽圧を気道に加えます。

ASV

睡眠時無呼吸症候群に対しよく用いられるモードで、自発呼吸がなくても強制的に陽圧がかかり換気を促します。

人工呼吸器のアラーム

人工呼吸器を装着している患者さんのケアでドキッとするのが、アラームが鳴ったときではないでしょうか。アラームは、患者さんの状態が悪化しても改善しても鳴る可能性があります。また、モードを設定する際に決める項目が患者さんの状態に合っていなければ、ファイティングやバッキングが起き、アラームが鳴ってしまいます。人工呼吸器のアラームにはどんなものがあるのか、原因は何なのかを知っておきましょう。

人工呼吸器のアラームについて
【人工呼吸器】臨床でよく見る2つのアラームの原因と対応
【人工呼吸器】緊急度が高い3つのアラームの原因と対応
【気道内圧上限アラーム】
【分時換気量下限アラーム】
【呼吸回数上限アラーム】
【無呼吸アラーム】
第8回 低換気(Low Min Vol.)のアラームが鳴ったら?
人工呼吸器のアラームの原因と対応

ウィーニング

人工呼吸器から自発呼吸への移行のプロセスをウィーニングといいます。

下記を含め、客観的データに問題がなければ(意識がある場合は主観的な評価も含め)、ウィーニングの開始時期と医師が判断します。看護師が離脱の判断をすることはありませんが、医師が、どこを見て判断しているのかを知っておきましょう。主に確認するものは、循環動態、全身状態、意識の改善、精神状態の安定です。

諸学会からプロトコルが発表されていますが、各施設に基準がある場合は、その基準に従ってウィーニングを行うようにしてください。

大まかなウィーニングの流れ
①換気モードをA/CからSIMV(+PS)変更
②CPAP(+PS)へ変更
③SAT(自発覚醒トライアル)を行うことができるかを検討
④SATの実施・評価
⑤SBT(自発呼吸トライアル) を行うことができるかを検討
⑥SATの実施・評価
⑦問題が無ければ抜管を検討
※事前にカフリークテストを行うことが望ましい

ウィーニングは、患者さんの状態をアセスメントしながら進めていくことが大切です。適切な方法で行い、負荷をかけすぎないように注意します。

ウィーニングに関する記事
ウィーニングとは?ウィーニングの方法や自発呼吸トライアル(SBT)など
ウィーニング実施中の観察ポイント
ウィーニング後の4つの観察ポイント

気をつけたい合併症

人工呼吸器を装着しているために、人工呼吸器関連肺炎(VAP)や、気道粘膜の損傷などを起こすリスクがあります。
人工呼吸器関連肺炎は、カフ圧の確認や口腔ケアなどである程度防ぐことができます。どのようにケアをすればよいかを知っておきましょう。

人工呼吸器装着中の合併症に関する記事
第5回 人工呼吸管理中の合併症

VALI(人工呼吸関連肺障害)

人工呼吸器の機械的刺激により引き起こされるさまざまな障害のこと

予防方法
・1回換気量は理想体重に基づいて設定(6〜8mL/kg)する等、肺に与える損傷を最小限にするような管理が必要

VAP(人工呼吸器関連肺炎)

人工呼吸器開始48時間以内に新たに生じた肺炎と定義されている

予防方法
・手洗いを徹底、適切な口腔ケア、頻回な吸引など肺炎を予防するようかかわる
・できる限りはやく人工呼吸器から離脱する
・仰臥位は避け、不必要な垂れ込みを起こさせない

VAP(人工呼吸器関連肺炎)に関する記事
第6回 人工呼吸管理中の合併症—VAPとは?(人工呼吸関連肺炎)
第7回 【カフ圧管理のカギ】人工呼吸器関連肺炎(VAP)の予防

廃用症候群

人工呼吸器装着中は鎮静下にあり、臥床状態が長期に渡ると、骨格筋系、循環器系、精神神経系等さまざまな症状が起こる

予防方法
・過鎮静にしない、リハビリやマッサージで身体を動かす

廃用症候群に関する記事
第1回 【廃用症候群とは?】発症の要因
第2回 【廃用症候群】発症のメカニズムと臨床的特徴
第3回 【廃用症候群とは?】予防とリハビリテーション