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【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

【図解】導尿(膀胱留置カテーテル挿入)の手順(女性・男性別)~根拠がわかる看護技術

解説 野崎真奈美

東邦大学看護学部 基礎看護学研究室 教授

持続的導尿は、尿道の損傷や尿路感染のリスクがあり、慎重に行わなければならない難しいケアです。ここでは、手順とともにその根拠や注意すべきポイントを紹介していきます。


【目次】

※「手順と注意点(男性の場合)」の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。


準備

必要な物品

  • フォーリーカテーテル・蓄尿バッグ(一体化のものが主流)
  • 消毒器具(綿球・ポピドンヨード・攝子)
  • 滅菌潤滑剤(グリセリンなど)
  • ガーゼ
  • 吸水シーツ
  • 滅菌手袋
  • 滅菌水入りシリンジ
    ※ここでは、これらの物品がまとめて入った「閉鎖式カテーテルキット」を使用するケースで手順を説明します。

  • エプロン

  • バスタオル

  • 清拭用品(タオルなど)

  • 廃棄物入れ(ビニール袋、膿盆)

  • 固定用品(テープ、カテーテル専用の固定器具)

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持続的導尿とは? 知っておきたいポイント

手順と注意点(女性の場合)

1 本人確認とケアの内容・目的を伝える

(1)患者さんの本人確認を行い、これから持続的導尿を行うことやその目的などを伝えます。
▼ここに注意!
他の患者さんに聞こえないように声の大きさに注意して説明するなど、患者さんの羞恥心に配慮しましょう。

2 環境を整える

(1)カーテンやスクリーンでベッドサイドを覆い、他の患者さんから見えないようにします。

(2)実施者はエプロンを着用します。

3 患者さんの脱衣を行う

(1)上シーツや毛布などの患者さんの上にかかっている寝具の上から、患者さんの腹部~膝部分にバスタオルをかけて、寝具を引き抜きます。
▼ここに注意!
取り去った寝具は、操作の妨げにならないように、ベッドの下方に扇子折りにして、きちんとまとめておきます。

(2)バスタオルの中で服と下着を取ります(自立患者さんの場合は脱いでもらう)。

(3)別のバスタオルで露出している下肢を片方ずつ巻きつけます(バスタオルが足りない場合は、処置を始めるまで下肢にバスタオルをかけておきます。
▼どうして?
患者さんの羞恥心に配慮するとともに体温の低下を防ぐためです。

4 閉鎖式カテーテルキットを開封し、吸水シートを敷く

(1)ワゴン上で閉鎖式カテーテルキット(以下、キット)を開封します。

(2)吸水シーツを取り出し、臀部の下に吸水シーツをしきます。
▼ここに注意!
吸水シーツを取り出すときはキットの中身に手を触れないようにします。

5 体位を整える

(1)膝を立てて、やや開脚させます。
▼ここに注意!
体位が維持できない場合、枕などで下肢を支えます。

6 物品をベッド上に配置する

(1)ゴミ袋の口を開けて患者さんの足元に置きます。
▼ここに注意!
滅菌手袋を装着すると、滅菌物以外の物品の移動ができなくなります。そのため、滅菌手袋の装着前に、滅菌物以外の物品をケアが行いやすいように配置します。

(2)外装からキットを取り出し、包装シート(滅菌包)からは取り出さず、患者さんの足の間にキットを移動します。
▼どうして?
キット内の滅菌物を清潔に保つために包装シートに包まれています。実際にケアを行う位置まで包装シートに保護された状態で移動することで、不潔になるリスクを減らします。
▼ここに注意!
開封した包装シートの上が無菌操作を行うスペースになるので、作業しやすい位置に移動します。

(3)包装シートの内側に触れないようにして、包装シートを広げてキットを開封します。
▼どうして?
包装シートの内側は清潔区域です。清潔を保つために、触れないようにします。

(4)患者さんに処置が終わるまで、なるべく足を動かさないようにすることを伝えます。
▼どうして?
滅菌物に患者さんの身体が触れないようにするためです。

7 滅菌手袋を装着する

(1)手指衛生を行い、滅菌手袋をキットから取り出し、ワゴン上に置きます。

(2)開封して滅菌手袋を装着します。
▼ここに注意!
装着するときは手袋の折り返し部分を持ちます。この時点で、折り返し部分は不潔区域になります。このように滅菌手袋の清潔・不潔区域を考慮して、素手で清潔区域を触れないようにします。

8 物品を準備する

(1)包装シートの上(清潔区域内)で作業を行います。

(2)トレイ内の綿球に消毒薬を注ぎます。

(3)潤滑剤をトレイ内の所定の位置に準備します。

(4)蓄尿バッグの排尿口側のクレンメが閉じていることを確認します。
▼どうして?
カテーテルを挿入したら、すぐに尿が排泄されます。このときクレンメが開いていると、尿が漏れてしまうためです。

9 バルーンの確認をする

(1)滅菌蒸留水入りシリンジでカテーテルの固定水注入口に滅菌蒸留水を挿入し、バルーンが正常に膨らむことを確認します。

(2)確認後は、滅菌蒸留水をシリンジに戻し、シリンジはカテーテルに接続したままにしておきます。
▼ここに注意!
キットを使用しない場合も、バルーンの固定水には滅菌蒸留水を必ず使用します。生理食塩水では、バルーンのなかで結晶化し水が抜けなくなる恐れがあります。

10 陰部の消毒を行う

(1)トレイやカテーテルなどを操作しやすい位置に置きます。
▼ここに注意!
清潔区域内に置きます。

(2)利き手の反対側の手で陰唇を開き、外尿道口を露出させます。

女性 外尿道口を露出させる方法

▼ここに注意!
陰部に触れた手は不潔になります。カテーテルなどを持たないように注意します。

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