【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

第3回 ベッドメイキング 見直そう! 5つのポイント

解説 野崎真奈美

東邦大学看護学部 基礎看護学研究室 教授

 基本的な看護技術であり、日常的な看護業務でもあるベッドメイキング。でも、あなたがつくるベッドは患者さんにとって本当に心地よいものでしょうか。いま一度、ベッドメイキングの重要性を見直してみませんか。

【関連記事】
【図解】ベッドメイキングの手順とコツ~根拠がわかる看護技術


1まず重要なのは、安全、安楽、自立

 患者さんにとっては、ベッド上が治療の場であり、生活の場となります。患者さんが入院生活の大半を過ごすベッドは、患者さんの体力を消耗させるものであってはなりません。そこで、ベッドメイキングを行うにあたり、まず配慮しなければならないのは“安全”“安楽”“自立”です。例えば、シーツにしわがあったとしたら、局所的圧迫の原因となり、褥瘡発生のリスクを高めます。また、健康な私たちもそうですが、シーツにしわがあると不快で寝心地が悪くなります。つまり、シーツをしわなくきれいに整えることは安全、安楽につながるというわけです。
 
 自立では、患者さんがベッドから降りやすいようにベッド柵の位置を調整することが重要となります。逆にベッド柵の位置によって転落を防止するといった安全への手立てにもなります。

2耐久性、審美性、経済性も考えよう!

 ベッドメイキングには耐久性も大切です。シーツがマットレスからズレるなど、すぐに崩れてしまうようなベッドでは、患者さんにとっても、それを直す看護師にとっても負担になるためです。
 耐久性を維持するためには、下シーツは左右バランスよくマットレスに広げ、コーナーを三角折りにしてマットレスに入れ込みます。これは見た目の美しさ、審美性にもつながります。そして、審美性は心地よさ、つまり安楽にもかかわってきます。

ただし、あえて耐久性を弱くする部分もあります。それは足元の上シーツです。患者さんが足をスムースに動かせるように、上シーツにタックをつくって余裕をもたせ、さらにコーナーはゆるみやすいように四角折りしてマットレスに入れ込みます。

 また、ベッドメイキングには経済性も重要です。経済性を考えなければ、毎日シーツ交換を行うのがベストですが、そうはできないのが実情です。そのため、ほとんどの医療施設では週に1回のシーツ交換にとどまっています。また、汚れたところだけを交換できるように部分的なシーツ(防水シーツ、横シーツ)を重ねて用いることもあります。

3ベッド内の換気も必要!

 私が以前勤務していた病院では、毎日シーツ交換はできないまでも、1日1回シーツ類をはいでベッドを作り直していました。しかし、最近では入院患者が急性期化していて、毎日最初からベッドを作り直すことが困難な状況が多いようです。そこで、1日に1回は、シーツなどを整え、粘着付きローラーでベッド上を清掃するようにしましょう。そして、できるだけ毛布やふとんをはいで、ベッド内の湿気を取り除いてください。ナイチンゲールが説いたように、汗、体液などの水分による湿度は身体に悪影響を及ぼし、生命力を消耗させます。ベッド内の換気は、できることなら1日に複数回行うとよいでしょう。

4手順だけを覚えないことが手順を覚えるコツ

 病院によっては上シーツと毛布とスプレッドを使わずに、それらが一体化した包布(布団タイプの掛け物)を用いるなど、ベッドメイキングに使用する物品が異なることがあります。すると、手順がわからなくなってしまうというナースもいるようです。
 しかしながら、これまで述べてきたように、ベッドメイキングの手技一つ一つには目的や根拠があります。それを理解していれば、物品が違っても応用が利くはずです。手順だけを覚えようとせず、その意味を把握することが必要です。

5看護助手や介護士への指導も大切

 患者さんが臥床している場合を除き、ベッドメイキングは看護師ではなく、看護助手や介護士が行う施設が多くなっているようです。しかし、ベッドメイキングには、ナイチンゲールの精神や安全・安楽・自立など看護の基本がつまっているといっても過言ではありません。看護助手や介護士へのベッドメイキングの指導は、看護師の重要な役割です。指導の際には、手順だけではなく、これまで述べてきたようなベッドメイキングの重要性や手順の意味などをしっかりと伝えていきましょう。

【関連記事】
【図解】ベッドメイキングの手順とコツ~根拠がわかる看護技術