お気に入りに登録

【連載】伊藤麻紀先生の『ストーマケアはじめの一歩』

第11回 ストーマ周囲の皮膚障害ってどういうもの?~スキンケアと予防的ケア~

執筆 伊藤 麻紀(いとう まき)

日本赤十字社医療センター 循環器・泌尿器科病棟/皮膚・排泄ケア認定看護師

皮膚にはストーマ装具貼付による物理的刺激、閉鎖環境による浸軟、排泄物付着による化学的刺激などが常にあり、皮膚トラブルが重症化すると装具を貼ることも管理も困難となります。皮膚の構造と機能を理解したうえで、適切なスキンケアを行うことが大切です。

皮膚の構造と機能

体を覆い、体内の恒常性を維持するための機能をもつ皮膚は、人体の中で最大の臓器といわれています。

皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造で、厚みは0.5~6mmと部位によって異なります。表皮は基底層、有棘層、顆粒層、透明層(手掌や足底)、角質層からなり、基底層は真皮と強く結合しています。

表皮の付属器は、毛・皮脂腺・汗腺です。皮脂腺には毛包腺と皮膚表面に直接皮脂を分泌する独立脂腺があり、皮脂と汗が混ざり皮脂膜という酸性脂肪膜を作り、皮膚表面を覆っています。これは、水分や有害物質の侵入を防ぎ、酸外套として細菌・微生物・アレルゲンに対する防御作用と緩衝作用をもっています。

真皮は乳頭層で表皮の基底層に面しており、もっとも血管が豊富で基底層に栄養を供給しています。乳頭下層や網状層では、コラーゲンや弾性繊維により皮膚のきめや体温、血圧の調整を行っています。

基底層は、皮膚の色に関係する色素産生細胞であるメラノサイトが5~10%を占めます。基底層から基底細胞が徐々に分裂してそれぞれの層に到達し、28~45日前後をかけて角質層から垢となって剥がれ落ちていきます。

>> 続きを読む
ページトップへ