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【連載】ナースのための消化器ケアに役立つ基礎知識

胃がん手術―ドレーン管理と観察のポイント

監修 犬飼道雄

岡山済生会総合病院 内科 医長

執筆 木村臣一

岡山済生会総合病院 外科 診療部長

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ドレーン留置による疼痛や離床の遅れ、逆行性感染といったデメリット、また、「ERAS」の観点からドレーンを入れないことがあるかもしれません。ですが、縫合不全などの術後合併症を早期に発見でき、適切な処置にもつながることから、胃切除後にドレーンを留置するケースは少なくありません。ドレーンの排液状況や熱型、身体所見、炎症所見などの検査結果を総合的に判断することで適切な術後管理ができます。


【目次】

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ドレーンの目的と種類

消化器外科で留置されるドレーンは目的によって3つに分類されます。

情報ドレーン

術後早期の腹腔内の異常[術後出血、消化液(腸液、胆汁や膵液など)の漏れなど]をいち早く発見するために行います。

予防的ドレーン

リンパ節郭清後の浸出液や死腔内の貯留液、消化管吻合時に流出した消化液などの汚染物質を腹腔外に排泄させ、術後早期の腹腔内感染を予防するために行います。

治療的ドレーン

汚染手術、腹膜炎手術などの手術時に留置するもので、遺残膿汁や壊死物質、細菌などを排除・洗浄するために行います。

通常、胃がん手術後のドレーン留置は、情報ドレーン、予防的ドレーンの両方の目的で行われます。

ドレーンの留置位置

幽門側胃切除術後のビルロートⅠ法再建では、右側より残胃十二指腸吻合部~肝下面~膵上縁(図1)、ルーY法再建では十二指腸断端~肝下面~膵上縁に留置することが通常です(図2)。ドレーンの位置がずれるのを防ぐために、ウインスロー孔を経由させることもあります。

ビルロートⅠ法再建説明図
図1 ビルロートⅠ法再建

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