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ゴーシェ病とは? ゴーシェ病の診断と治療

解説 井田博幸

東京慈恵会医科大学小児科学講座主任教授

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ゴーシェ病とはどんな疾患?

細胞には不要になった物質を分解するライソゾームという細胞内小器官があります。ライソゾームではさまざまな酵素が働いていますが、その酵素をつくる遺伝子に変異が起こり、酵素の働きが悪くなると、本来分解される物質が細胞内に過剰にたまり、細胞の働きを障害します。それがライソゾーム病です。そのライソゾーム病の一種がゴーシェ病です。日本では100万人に1人程度の発症頻度の希少疾患です。日本では、約150人の患者が報告されています。

ゴーシェ病とは

グルコセレブロシダーゼ(glucocerebrosidase)遺伝子に異常が起こり、ライソゾーム酵素であるグルコセレブロシダーゼ活性が低下、または欠如することで発症するライソゾーム病(lysosomal storage disease:LSD)のひとつです。全身症状、骨症状、神経症状などを起こす疾患です(表1)。

ゴーシェ病の主症状

ゴーシェ病では、グルコセレブロシダーゼ活性が低下、または欠如することで、糖脂質グルコセレブロシドが分解されず、マクロファージなどの細網内皮系に蓄積します。この蓄積により、肝脾腫、貧血、血小板減少、ゴーシェ細胞の出現、骨痛、病的骨折などが起こります(図1)。細網内皮系の炎症によって血清酸性ホスファターゼ(ACP)値、アンジオテンシン変換酵素(ACE) 値などが上昇します。また、グルコセレブロシダーゼ活性が低下すると、グルコシルスフィンゴシンが脳内に蓄積、中枢神経症状も起こします。

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