【連載】心不全と呼吸不全のアセスメント

心不全患者さんの浮腫(むくみ)をアセスメント

解説 小田 真澄

榊原記念病院 慢性心不全看護認定看護師


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心不全の看護|原因、種類、診断、治療
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【浮腫とは?】浮腫のメカニズムと治療・ケア


どんな訴え・症状なの?

●足背など下肢のむくみ
●身体のだるさなどは感じるものの、感覚が鈍り、患者さん自身は自覚がないこともある
●血管やリンパ管から浸み出した水分が、皮下組織に貯留して起こる
●歩行可能な患者さんは、重力の影響で下肢から起こる
●臥床している患者さんは、背部や陰部、特に仙部や陰嚢にみられる

どのようにみていけばいいの?

 浮腫をみるときにはまず、全身性か局所性か、をみます。心不全が原因の場合には、全身性の浮腫がみられます。全身性の浮腫には、ネフローゼ症候群などの腎疾患、肝不全、肺高血圧症やCOPD、甲状腺機能低下症などが原因の場合もあります。したがって、これら疾患との鑑別が必要になります。

 心不全による浮腫の特徴は下肢の浮腫です。特に、夕方になると目立ってきます。心機能が低下していると、静脈還流が低下し、重力によって血液やリンパ液が下肢に貯留してしまうのです。


 また、指で押したときに痕が残る圧痕浮腫なので、足首や前頸骨部を指で押して確かめ、アセスメントスケールで評価します。さらに、チアノーゼ、呼吸困難、尿量減少などの随伴症状の有無も確認します。

 いつ頃から出現したのかも大切な確認項目ですが、自覚症状のない人の場合は、「今まで履いていた靴が履けますか?」「足に靴下のゴム跡がつきませんか?」など、具体的に聴いていきます。患者さんと一緒に浮腫であることを確認しながら、出現時期を確かめていきます。

 急に浮腫が出現した場合には、急性心不全の疑いがあります。逆に、浮腫が長期にわたると、皮膚に発赤や硬化、色素沈着をきたします。

 また、数日間のうちに2kg以上の体重増加があったら、水分貯留(浮腫)の可能性があります。定期的な体重測定も重要になります。

何がわかるの?

 右心不全による静脈血の環流障害があることがわかります。浮腫は、右心不全の重要な特徴で、これが認められたら、医師に報告する必要がある状態と判断します。

 通常は、足背から症状が現れ、膝下あたりまでむくみます。大腿部まで浮腫があるような場合は、かなり進行した状態と考えられます。

ここに注意

 心不全では、浮腫が出現する前に何かしらの徴候があります。病態が徐々に進行しているのなら、易疲労などの症状があるはずです。そこを問診で明らかにしていきますが、そのとき、身近な日常生活の中の活動を取り上げながら聴いていくことが、とても大事になります。

 また、下肢のむくみの解消・予防に弾性ストッキングを使用すると、静脈環流を一気に増やしてしまい、心臓に大きな負荷を与えてしまいます。使用を考える場合には、事前に医師に相談します。また、重症の患者さんには軽いマッサージや足浴だけでも負担が増すので、避けるようにします。状態がある程度落ち着いてから、医師の許可を得た上で行うことが重要です。

(ナース専科2014年11月号より転載)

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