【連載】これだけできれば大丈夫! 病棟で必要な人工呼吸ケア

ウィーニング後の4つの観察ポイント

解説 和田 希

湘南鎌倉総合病院  慢性呼吸器疾患看護認定看護師

抜管による合併症には上気道閉塞、低酸素血症、高二酸化炭素血症、無気肺・肺虚脱、呼吸仕事量の増加などがあります。抜管後は、これらを念頭におきながら観察をし、合併症の早期発見・予防を図り、再挿管を回避することが大切です。観察ポイントには、次のようなものがあります。

①上気道閉塞

最も注意したいのが、上気道の閉塞です。前述したように気管チューブによる物理的損傷によって喉頭浮腫が起こることがあります。これは挿管中だけでなく、抜管後に生じることがあるり、この上気道閉塞をストライダーといいます。頸部の聴診で吸気時のウィーズ(狭窄音)が聞かれます。浮腫は、抜管直後から生じる人や数時間後に生じる人もいて、
個人差があります。抜管前にステロイド剤が投与されることがありますが、それは浮腫発生の予防を考えてのことです。

②気道内クリアランス

十分な咳嗽反射がないと気道内分泌物が貯留して、気道内クリアランスが低下することもあります。排痰ができるかどうかを確認し、十分でない場合には、吸引や体位ドレナージなどで排痰を促す援助を行います。

③呼吸状態

人工呼吸下では、呼吸筋力が低下している人も少なくありません。抜管後は気道抵抗が大きくなり、呼吸仕事量が増えるので、換気量の低下が見られます。呼吸様式、呼吸回数やサチュレーション、呼吸音、発汗の有無などを観察します。呼吸補助筋、特に、胸鎖乳突筋の使用、シーソー呼吸や呼吸回数>30回/分、SpO2<90%が5分以上続く場合は、呼吸不全のサインです。

④循環動態

心機能が低下している場合、人工呼吸による陽圧換気から陰圧換気への変化が、病態に影響を及ぼすこともあります。チアノーゼ出現の有無や末梢の温度、心拍数、血圧、尿量などをチェックします。心拍数>120回/分、血圧<90mmHg、胸痛や異常心電図は呼吸不全のサインとも考えられます。

再挿管を防ぐためにも、抜管後の観察はとても重要です。抜管直後の30分間は、ずっとベッドサイドにいて前述したような項目を注意深く観察しましょう。SBTをクリアしていても、呼吸仕事量が増加するにつれ、呼吸筋が疲弊して、徐々に換気や排痰ができなくなる人もいます。ヘッドアップし換気しやすい体位をとり、排痰援助を行っていきましょう。

酸素化や換気の低下が見られた場合でも、NPPVで改善する人もいます。変化の兆しをキャッチして、早めに対応できるようにしましょう。ただし、酸素投与器具、吸引、バックバルブマスク、挿管チューブの準備をし、いつでも再挿管できるようにしておくことも必要です。

知っておきたい関連用語

気道内クリアランス
気道内の痰などの貯留物を排出する能力のこと

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