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【浮腫とは?】浮腫のメカニズムと治療・ケア

編集 ナースプレス編集部

Webサイト「ナースプレス」編集部

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【目次】


浮腫とは

水分(細胞外液)が血管やリンパ管外に染み出し、皮下組織(間質)に過剰に貯留することです。全身性と局所性のものがあり、そのうち全身性は心疾患、腎疾患、肝疾患が原因で引き起こされ、薬剤や、サプリメントの服用によって起こる薬剤性浮腫も含まれます。局所性は原因不明の一次性とリンパ節を摘出するリンパ節郭清による二次性に分かれますが、ほとんどは二次性です。血管神経性浮腫(クインケ浮腫)も局所性に含まれます。

浮腫のメカニズム

① 毛細血管内圧の上昇
心臓のポンプ機能の低下などで毛細血管内圧が上昇することにより、間質に水分が染み出し浮腫が生じます。心不全(右心不全)では、心臓から全身へ血液を送ることが出来ず右心内にうっ帯してしまい、心臓へ戻れず右心の手前であふれた血液中の水分が手足などの末梢に貯留してしまい起こります。

② 血漿の膠質浸透圧の低下
血管と間質を隔てている血管壁には隙間があり、水分や電解質が行き来して体液の調節を行っています。血中内のたんぱく質のうち67%を占めるアルブミンは血管内で水分を保持する役割(膠質浸透圧)があり、この機能が保てなくなるか血管壁に異常が起きると浮腫が生じます。アルブミンは肝臓のみで作られるため、肝疾患による浮腫のときは著しく低下し、水分を保持できなくなることでお腹に水分がたまり腹水が起こります。たんぱく質が低下する低栄養でも同様です。また、腎疾患では腎機能が低下することでたんぱく質が尿中に排泄され、血液内にナトリウムが増えるため浸透圧により浮腫が生じます。

③ 毛細血管の透過性亢進
なんらかの原因で毛細血管より水分が染み出しやすくなり、間質に水分が貯留し浮腫が生じます。

④ リンパ管の障害
リンパ管が圧迫や狭窄、閉塞することで流れが悪くなり浮腫が起こります。四肢に起こるものは、がん治療のためにリンパ節郭清を行ったことで起こることが多いです。

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浮腫を引き起こす疾患と治療、ケア

<心疾患(うっ血性心不全)>

うっ血性心不全(右心不全)では、安静にすることで心拍出量を増加させ、水分の排泄を促します。利尿剤を使用することもありますが、その際は脱水や低K血症に注意が必要です。また、全身への血流が不十分なため酸素が不足して呼吸苦を伴うこともあるので、呼吸状態にも注意します。呼吸苦に対しては、起座位を取ることが有効です。

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<腎疾患(腎不全、ネフローゼ症候群など)>

心疾患と同様、安静にすることでNaの排泄を促します。塩分制限食となる場合もあります。透析が必要になる場合もあるので、治療がスムーズに行えるよう必要に応じて適宜説明を行います。

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<肝疾患(肝臓がん、肝硬変)>

肝性浮腫が起こる主な原因は肝硬変です。門脈圧亢進のためにお腹、足に浮腫が出やすくなります。安静、水分制限、塩分制限に加え、症状に応じて薬剤療法(利尿薬、肝細胞保護剤)、腹腔穿刺などで対応していきます。

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<その他(クインケ浮腫、遺伝性血管性浮腫、リンパ節郭清後など)>

クインケ浮腫は押さえても圧迫痕が残らず、痛みや痒みがなく、長くても数日で消失します。アレルギー性や遺伝性のものと考えられており、全身に再発を繰り返しますが上気道に浮腫が起きると呼吸困難となることもあります。
がん治療が原因となるリンパ浮腫の場合、進行すると皮膚の乾燥や硬化、痛みや痺れを感じるようになるため、スキンケア、セルフケア指導、圧迫、リンパドレナージなど予防や早期治療が大切です。    

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浮腫は皮膚組織の機能が脆弱になりドライスキンを引き起こすので、褥瘡の発生リスクが高まります。その上血行不良により治癒しづらい状態となるため、予防が重要となります。

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