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バイタルサインとは|目的と測定の仕方、正常値について

編集 ナースプレス編集部

Webサイト「ナースプレス」編集部

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Vital

バイタルサインとは「生命徴候」のことで、「脈拍」「呼吸」「体温」「血圧」「意識レベル」の5つがバイタルサインの基本です。


【目次】


バイタルサインの目的

客観的なデータをもとにアセスメントすることで、全身状態の変化や異常の徴候を早めに発見します。

脈拍測定

血液が心臓の拍動によって動脈に駆出され、末梢血管まで到達するときに起こる波動を触知しているものを「脈拍」と呼びます。

基準値:60~100回/分

頻脈:心臓の拍動頻度がおおよそ100回/分以上と、極端に多い場合
徐脈:心臓の拍動頻度がおおよそ50回/分以下と、極端に少ない場合

測定位置

脈拍が触れる場所はいくつかありますが、最も脈が触れやすい「橈骨動脈」を選択するのが一般的です。ただし、血圧が60mmHg以下の場合、撓骨動脈では脈拍を触知することができません。また、膝窩動脈・後脛骨動脈・足背動脈は脈拍数の測定に使用することはほとんどなく、主に下腿の循環動態を把握したいときに選択します。

測定方法

計測するときは、まず示指・中指・薬指を軽く当てます。15秒間または30秒間、脈をカウントし、「15秒間測定値×4」または「30秒間測定値×2」で60秒の脈拍数を算出します。ただし、脈拍欠損・不整脈がみられる場合、60秒間継続して測定する必要があります。また、同時に左右差の有無を確認します。

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血圧測定

血圧とは、1回拍出量×末梢血管抵抗であり、血管内部の圧力のことをいいます。

正常値:120/80mmHg以下(収縮期血圧120 mmHg以下かつ拡張期血圧80mmHg以下)

測定方法

動いた直後は血圧は高くなってしまうので、5分程度安静にしてから、坐位か仰臥位で測定します。また、体勢によって血圧は変動するので、いつも同じ体勢・部位で測定することが大切です。一般的には上腕部で測定します。

日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン2014」が基準となっています。ガイドラインによると、診察室で測定した血圧(病院・診療所等で医師・看護師により測定された血圧)が140/90mmHg以上、家庭で測定した血圧が135/85mmHg以上を、「高血圧」としています。

麻痺、乳がんリンパ節切除、点滴中で上腕部で測定できない場合は、大腿部か下腿部で測定します。

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呼吸数の測定・呼吸音の聴診

基準値:16~20回/分

呼吸数を計測する際は、計測することを患者さんに伝えてしまうと、意識してしまい自然な呼吸数が測れなくなってしまいます。そのため、脈拍を測っているときに一緒に計測するなどの工夫が必要です。

呼吸音の聴診は、やや大きめな呼吸を繰り返してもらうようにします。左右交互に対称的に聴取し、一カ所につき最低でも1呼吸以上は聴取します。呼吸音の大きさ、左右差の有無、聴取部位などを確認します。また、異常音が聞こえた場合は更に、副雑音の種類や体位、咳嗽による違いなども確認します。

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体温測定

基準値:36~37℃

体温測定は、表面体温、口腔温・腋渦窩温、深部体温の3種類がありますが、医療者が使う「体温」は「深部体温」を指します。体温測定時は、腋窩最深部に体温計の先端を当てるように差し込み、できるだけ密着させて測ります。低体温、熱中症、手術時など、深部体温を測定するときは、温度センサー付きの尿道バルーンを使用したり肛門から計測器を差し込んで測定することがあります。

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意識レベル

全身状態の評価は、バイタルサインのみでは不十分なため、意識レベルと合わせて評価することが多くあります。

意識レベルの評価

意識レベルを簡易的な方法で調べる場合は、声をかける、刺激をする、痛み刺激を与える、という順で行います。災害時や事故現場などでは、このようにして意識レベルを調べますが、首の骨を折っていることも考えられるので、激しく揺さぶることはしてはいけません。

医療現場では、意識障害と意識レベルを評価し正確に伝えるために、JCS(ジャパン・コーマ・スケール)やGCS(グラスゴー・コーマ・スケール)を使用します。

ジャパン・コーマ・スケール(JCS)の特徴
短時間で簡便に意識レベルの評価を行うことができ、間脳・中脳・延髄への侵襲の目安として判定しやすい指標です。

グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)の特徴
「開眼・最良言語反応・最良運動反応」の3側面の総和で評価します。やや複雑であるのと、そのうち1項目でも判定が困難な場合は意味をなさないという問題があります。

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