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【連載】フィジカルアセスメント症状別編

チアノーゼのアセスメント|問診の仕方と緊急性の判断

解説 山内豊明

名古屋大学大学院医学系研究科 教授 医学博士/看護学博士/医師/看護師/保健師/米国・登録看護師、診療看護師

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【目次】

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STEP1 まずはこれを考えよう! 

チアノーゼとはどんな症状をいうのか

 健康であれば私たちの唇や爪の色は、ピンクやオレンジがかった赤い色です。チアノーゼとは、こうした唇や指先などが、青っぽい紫色に見える状態です。その原因は、血液中の酸素不足です。

 動脈血の色は、血液の中で酸素の運搬役を担っているヘモグロビンの色です。ヘモグロビンが赤い色をしているために、血は赤く見えるのです。ところがこのヘモグロビンは、酸素と結合しているときと結合していないときでは色が違います。前者は鮮やかな赤い色で、後者は赤紫色になります。
 
 爪(の下の皮膚)や唇は、毛細血管が体表に近いので酸素を含んだ動脈血が透けて見えるため、赤みを帯びた色に見えるわけです。ですから、赤く見えるはずの色が青っぽい紫色になっているというチアノーゼの出現は、酸素をもたないヘモグロビンが多い、すなわち患者さんが酸素不足であることを示しているのです。

酸素と結合していないヘモグロビンの量(脱酸素ヘモグロビン)が5g/dL以上になるとチアノーゼが出現します。ただし、貧血の患者さんは、脱酸素ヘモグロビンが基準値を越えにくくチアノーゼ出現がわかりにくいために注意しなければなりません。なぜならば、貧血の患者さんは、もともと血中のヘモグロビンが少ないので、酸素が結合していないヘモグロビンの量が、チアノーゼとしてわかるほどの絶対量に至りにくいからです。

 つまり、チアノーゼの出現条件として、血中のヘモグロビンの何パーセントが酸素を離しているのかという「割合(濃度)」ではなく、血液中に脱酸素ヘモグロビンがどのくらい含まれているかという「絶対量」が必要です。

 臨床では日常的に利用されているデータである、SpO2はヘモグロビンがどのくらい酸素と結合しているのかを示す指標の一つです。しかし、SpO2はヘモグロビン総量のうち、酸素と結合しているヘモグロビンが何パーセントなのかを示すものであり、絶対量を示しているものではありません。
 
 したがって、測定時の患者さんのヘモグロビン総量が少ない場合、すなわち貧血のときには、測定値が高くても身体の隅々に十分な酸素が行き渡っていないことになります。貧血のある患者さんは、パルスオキシメーターだけで酸素化の状態を判断するのは危険です。

Action1 チアノーゼの原因となる疾患・症状のリストを想定する

チアノーゼには、2つのタイプがあります(表)。

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