• 公開日: 2013/4/26
  • 更新日: 2020/3/27

【連載】現場で使える!英会話1分間レッスン

症状の聴取を英語でするには?[循環器科編12]


外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!


患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんにおこっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
今回からは、急性心筋梗塞の症状の聴取に必要なフレーズを紹介します。

急性心筋梗塞の治療のPOINTは、早期診断と早期治療です。
急性心筋梗塞の患者さんが、来院してから冠動脈の閉塞部位の再灌流までの時間:DTBT(Door To Balloon Time)は、循環器のガイドラインにより90分以内が望ましいとされています。DTBTが早ければ早いほど救命率は上がり、その後の社会復帰に影響を及ぼします。

看護師は、すぐにバイタルサインの測定と12誘導、点滴ラインの確保や心筋梗塞の初期治療として知られるMONA(モルヒネ、酸素、硝酸薬、アスピリン)1)投与の準備・実施を行います。同時にOLDCART2)に沿った症状のアセスメントを行います。

以下の事例にそって、急性心筋梗塞症状の把握に必要なフレーズを紹介します。


事例:52歳・男性
数日前から胸に締め付けられるような痛みを感じていたが、仕事が忙しく、安静にしていると数分で消失するため様子をみていた。いつも通り、昼食後に取り引き先へ向かう途中、突然ナイフで刺されたような胸の激痛に襲われ、その場にしゃがみこみ数回嘔吐。通行人が救急要請し、ERに搬送された。


本日のフレーズ

「聞こえますか? 胸が痛くなったのはいつですか? 何をしているときに痛くなりましたか?」

事例の患者さんは、典型的な心筋梗塞の症状で搬送されてきました。この場合、医療スタッフが連携し、いかに迅速に正確な診断が下され、DTBTを短縮できるかが治療の鍵となります。
まずは、意識がありコミュニケーションが可能なことを確認しましょう。そして、胸痛の発症時間とそのときの状況を把握します。

さて、みなさんはどう英語で表現しますか?


1)MONAとは、Morphine, Oxygen, Nitrate, Aspirinの頭文字をとった心筋梗塞の初期治療です。
2)OLDCARTとは、Onset(発症),Location(症状のある部位),Duration(症状のある持続時間),Character(症状の性質), Aggravating/Alleviating factor(増悪・軽減要因),Radiation(症状の広がり),Timing (症状がいつ起こるのか) の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。


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