【連載】腹腔ドレーン管理のこんなことが知りたい! Q&A

腹腔ドレーンを閉塞させないための注意点

執筆 小貫智美

筑波メディカルセンター病院 看護部 看護師


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ドレーンとは|ドレーンの種類と管理


Q.ドレーンを閉塞させないためには、どのようなことに注意すればよいの?

 A.ドレーンの閉塞は、患者さんの体動や内腔の閉塞が原因になって起こることがあります。日ごろから患者さんの体動やドレーンの固定部位を確認したり、排液の性状や排液量の変化に注意することが大切です。

外的な要因と内的な要因への対策が必要

 閉塞の主な原因として、①チューブの屈曲やねじれに伴う閉塞と、②粘稠度の高い排液や凝血塊、浮遊物貯留に伴う内腔閉塞が考えられます。ドレーンが閉塞することで有効なドレナージが行えなくなってしまうため、日ごろから閉塞を起こさないよう十分な対策と注意が必要です。

屈曲・ねじれによる閉塞

 屈曲やねじれが原因で閉塞が起こっている場合は、屈曲している、あるいはねじれている部位を正すことで排液の流出は改善します。
 
 屈曲やねじれは患者さんの生活動作一つで生じやすいため、普段から刺入部~排液バッグまでのドレーンチューブに屈曲やねじれがないかを確認することが大切です。自力体動が可能な患者さんや、体位変換を行う場合などは特に注意しましょう。ドレーンの固定部位やチューブの延びる方向によっては、患者さんのウエストや関節に巻き込まれ、常にドレーンチューブが屈曲しやすい状態にあるケースもあります。その場合は医師に相談し、固定部位や固定の方法自体を変更してもらうことも検討します。

内腔閉塞

 内腔閉塞が生じた場合は、ドレーンチューブをしごいて一時的に陰圧をかけ、排液を促進させる「ミルキング」を行うことで閉塞の解除を行います。それでも閉塞が解除されない場合には医師に報告します。医師の判断によっては、ドレーン内を洗浄して閉塞を開通させたり、ドレーン自体の入れ替えを行うこともあります。ドレーンの洗浄については、患者さんに疼痛を伴う場合や逆行性感染のリスクもあるため、基本的に看護師の判断では実施しません。

 内腔閉塞にいち早く気づくためには、日ごろから排液の粘稠度や浮遊物の貯留といった性状の変化や排液量の減少を注意して観察していくことが大切です。

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