【連載】腹腔ドレーン管理のこんなことが知りたい! Q&A

体動が多いドレーン挿入中患者さんへの注意点

執筆 小野田里織

筑波メディカルセンター病院 看護係長 皮膚・排泄ケア認定看護師


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Q.体動が多い患者さんに対して注意すべき点は?

A.最も注意すべきなのはドレーンが抜去されないようにすることです。なぜ体を動かしているのか、その背景を考えてみましょう。

体動の原因を考える

 ドレーンやチューブ類など患者さんにとって必要なライン類が抜去されると、治療にも影響を及ぼすことはよく知られています。また、体動にドレーンチューブが巻き込まれると、屈曲やねじれの原因にもなります。


 しかし、ドレーンが入った状態で体動が多くなる患者さんは少なくありません。患者さんはさまざまな背景をもち合わせており、その体動にも必ず何らかの理由があるはずです。まずは、患者さんが「なぜ体を動かしているのか」を考え、その背景を理解することが重要です。

 考えられることの一つとして、ドレーンによって刺入部に痛みが生じている可能性が挙げられます。痛みや不快を訴えることができない挿管中の患者さんや認知症がある患者さんなどでは、それを言葉ではなく、表情や体の動きで表現している場合があるからです。痛みが原因であるならば、痛みのコントロールとして鎮痛薬を使用することで、体動が落ち着くことがあります。

 そのほか、疾患による疼痛や低栄養による倦怠感など、安楽を阻害する因子によって、体動が多くなっていることも考えられます。こうした原因を明らかにし、対応することが大切です。

事故抜去を防ぐ工夫が大切

 体動が多い場合には、同時にドレーンが抜去されないような工夫を行うことも必要です。まずは、以下のような対応ができているかチェックしてみましょう。

 ①ドレーンが抜けないように固定されているか確認する
 ②患者さんにドレーンが入っていることを説明する 
 ③ドレーン刺入部はすぐに触れないよう腹帯などで覆う

 どうしても抜去が避けられないと判断した場合は、患者さんの安全を確保する方法が他にないか、病棟内での検討や認知症などを支援する専門チームに相談・評価します。検討の結果、他の方法を実施する際は、ご家族へもその必要性を説明し、理解や承諾を得ておくことが大切です。

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