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【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

摘便とは|適応・禁忌・手順・コツ〜根拠がわかる看護技術

解説 浦田克美

東葛クリニック病院 皮膚・排泄ケア認定看護師

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【目次】

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摘便とは

 摘便とは、自然排便ができない患者さん、麻痺があるなど何らかの理由で腹圧がかけられない患者さん、脊損や直腸機能障害のある患者さんに対して、便を用手的に排出するケアです。特に、肛門の手前で硬い便が蓋をしてしまって排泄ができないといった嵌入便のケースでよく実施されます。

摘便の適応・禁忌

 便の貯留があり、自然排便ができない患者さんを対象として、直腸・肛門に出血や潰瘍がないなど、障害がみられない場合に行います。肛門周囲に病変がある、炎症性疾患、疼痛や出血がある患者さんには禁忌です。

 ただし、痔核や直腸瘤などが原因で自然排便できず、肛門付近に便が嵌入し苦痛が強い場合は、ケアを優先し実施することもあります。禁忌がみられない場合でも実施の際には、必ず医師に確認します。

摘便ケアで注意したいこと

腹部のアセスメント

 実施前には、必ず腹部を触診し、便が貯留しているかを確認します。左下腹部の斜め横方向を触診し、固く触れれば便が貯留していると推測できます(図)。

触診部位

 摘便は、患者さんの苦痛と羞恥心を伴うケアであり、また手技によっては直腸や肛門を損傷させてしまう危険性もあります。安易に行わないようにしましょう。

 本来ならば、レントゲンで便の貯留や位置を確認してから行うのが望ましいケアですが、実際の臨床の場では難しいのが現状です。しかし、そのくらいの慎重さが必要だということを意識して、腸、肛門の解剖生理をよく理解したうえでケアに臨みましょう。

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