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【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

クーリング(冷罨法)とは|目的と方法〜根拠がわかる看護技術

解説 佐居由美

聖路加国際大学 基礎看護学・看護技術学 准教授

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【目次】

※「安楽のためのクーリング 実施方法」以下の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。

クーリングとは

 クーリングとは、後頭部、鼠径部、腋窩、頸部、背部といった体幹付近、または表在性に大きな動脈のある部位や炎症部位を冷却する看護技術のことです。冷罨法とも呼ばれます。
 温罨法と同じく、医師の指示のもと行われることもありますが、看護師の判断で行うことができるケアです。

クーリングの効果・目的

 皮膚表面に寒冷刺激を与えることによって、血管・循環器系、筋肉・神経系に作用して、急性疼痛の緩和、急性炎症の緩和、止血、熱の放散などの効果をもたらします。

 最近では、放射線治療後や手術後に患部に熱感がある場合に、クーリングを行うこともあります。

 以前は、発熱時に解熱を目的としてクーリングが積極的に行われていました。しかし、皮膚の上から動脈を冷やしたとしても、全身の体温が下がるという明確なエビデンスがなく、その有効性は疑問視されています。また、発熱の段階によっては、クーリングが症状を悪化させることもあります(コラム参照)。

クーリングの目的
・急性疼痛・急性炎症の緩和
・止血
・高体温症など体温調節機構の障害:熱の放散の促進
・発熱時:安楽、苦痛の緩和

コラム 解熱を目的としたクーリング

 体温は通常、一定の温度(セットポイント)になるように視床下部の体温調節中枢にて調節されています。発熱物質によって、このセットポイントが高い温度に設定されると、そこまで体温を上昇しようとします。

 この体温上昇期においては、熱産生を増加させるために悪寒・戦慄などのシバリングが起こります。このときにクーリングを行うと、かえって症状を悪化させてしまいます。

 体温がセットポイントに達すると(極期)、身体は熱を放散させようとします。すると、悪寒・戦慄は消失し、熱感を生じるようになります。

 この段階では、解熱が目的ではなく、患者さんの安楽や苦痛の緩和を図ることが目的であれば、クーリングが有効です。

 また、高体温症(熱中症など)で、体温調節機構が障害されている場合は、熱の放散を促すためにクーリングが必要となります。


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