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【連載】治療の継続を安全に支える! 外来がん化学療法の看護

血管外漏出の防止と早期発見・対応

執筆 末吉真由美

国立がん研究センター東病院 看護部 がん化学療法看護認定看護師

抗がん薬の血管外漏出はがん化学療法における大きなトラブルです。場合によっては患者さんの皮膚や組織を傷害するため、その予防や早期発見は大切な看護師の役割です。限られた時間の中で行う外来では特に注意が必要。知識と対応をしっかりと身につけられるようにしましょう。


目次

血管外漏出とは

 血管外漏出(extravasation:EV)とは、血管内に投与されるはずの薬液が何らかの原因で血管外に浸潤したり、漏れ出た状態のことです。抗がん薬は刺激が強く、EVが生じると血管周囲の組織を傷害します。その程度によって起壊死性抗がん薬(vesicants drugs)、炎症性抗がん薬(irritants drugs)、非起壊死性抗がん薬(non-vesicants drugs)に分類されます(表2-1)。

 なかでも、起壊死性抗がん薬は、組織への傷害性が高く、少量の漏出であっても発赤・水疱・潰瘍を発生させます。組織の傷害は、皮下組織にとどまらず、漏出周囲の腱や神経にも及び、運動や感覚の障害を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

組織傷害度別の抗がん薬の分類

血管外漏出の予防と早期発見

 EVを発生させないためには、予防対策としての環境整備、適切な血管の選択が重要です。そのうえで、早期発見に努めることが必要です。

EV予防のための環境整備

 EVを予防するためには、化学療法の実施にあたって、「物理的」および「人的」の両面から環境を整備することが有効とされています。

[物理的環境の整備]
●マニュアルの整備
 EVを予防し、発生時には適切かつ速やかに対処できるように、以下の1~6についてのマニュアルを整備しましょう。

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