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【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

経過記録 各形式(SOAP、フォーカスチャーティング、経時記録)の書き方のポイント|看護記録書き方のポイント4

解説 大口祐矢

看護師 根拠がわかる看護義塾(http://kango.pw/)

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【目次】

ここでは一般的な看護記録を解説しています。実際の記録は院内の記録規定に従いましょう。

書き方のポイント1書き方のポイント3も参照してください。

SOAP(ソープ形式)の書き方

S・O・A・Pの要素

 SOAP形式では、患者さんがもつ問題(看護問題)ごとに、S(Subject):主観的データ、O(Object):客観的データ、A(Assessment):アセスメント、P(Plan):計画に分けて記録します。

・S:主観的データ
 患者さん・家族が話したことなど。
 例:患者さんが発した言葉・訴え、自覚症状、家族が話した思いなど

・O:客観的データ
 観察や検査・測定などにより得られた情報など。
※実施した看護とそれによって得られた情報もここに記録する。

 例:検査データ、バイタルサイン、患者さんの表情・皮膚の色、症状など

・A:アセスメント
 SとOの情報から考えられること。
 例:患者さんがいまどういう状態なのか、今後どういう問題が考えられるのか

・P:計画
 アセスメントで考えらえた患者さんの状態を改善するためのケアなど

SOAP記述例
* T. ヘザー・ハードマン,編 上鶴 重美,訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第11版.医学書院,2018,p.487.

SOAPの考え方

一貫性を持たせることが基本
 SOAPを書くときには、一貫性を持たせるようにします。つまり、SとOがAにつながり、AがPにつながっていなければなりません。SやOと関連していないAやPを書かないようにしましょう。

 一貫性を持たせるためには、まずSとOをしっかりと書くことが大切です。

看護問題
S+O → A → P


SOAPの書き方

看護問題の追加・修正も考慮する
 現在の取り上げている看護問題にはない問題が出てきたら、看護問題と看護計画を追加します。逆に、看護目標が実現されているようであれば、その看護問題をそのまま残しておくのではなく、削除するようにします。

各要素を書くときのポイント

S:主観的データ
・患者さんが発したことだけを記録します。「~と話す」などは不要です。

【例 誤→正】
「息が苦しいときがあるかな」と話す→息が苦しいときがあるかな

・患者さんに意識がないなど、Sがない場合は、「(無言)」と記述するか、Sの欄そのものを書かないようにします。改ざんされる恐れもあるため、空白のままにするのはやめましょう。

O:客観的データ
 見たままの「~そう」「~様子」など、自分が推測したような表現で書かないようにします。

【例 誤→正】
時々、顔をしかめて、痛そうである。→時々、顔をしかめている。
除痛ができていない様子である→記述しない

A:アセスメント

 「〇〇だから〇〇」というように、SやOの根拠をもとにアセスメント結果を記しましょう。語尾に「~か?」をつける終わり方ではなく、「~だと考えられる」「~ようである」「~の可能性がある」という記述にします。なお、「~だと思われる」は、記録としてふさわしくないので避けましょう。

【例 誤→正】
排痰が十分にできていないのではないか? 
→咳嗽や喘鳴があり、排痰が十分にできていないようである。

P:計画

・具体的に記述することが大切です。記述を簡略化するために、「計画続行」「Plan Do」などと記すのはやめましょう。これでは、どの計画を続行するのかがわかりません。

・終了した計画は削除する
 もう終了した計画で、実際は実施していないケアが残っている場合があります。見直して、実施していないケアは削除しましょう。


コラム SOAPIERについて

S・O・A・Pのほかに、「I:介入」、「E:評価」、「R:修正」の3項目が加わったSOAPIER形式で記述することもあります。

I(Intervention):介入
実施・介入した具体的内容

E(Evaluation):評価
Iの結果の評価

R(Revision) :修正
EをもとにしたP・Iの修正


フォーカスチャーティングの書き方

フォーカスチャーティングの要素

・F (Focus):フォーカス
 患者さんの問題点。これをもとにDARを記述する。
例:患者さんが抱えている諸問題、患者さんの症状、看護師のケア内容、治療・処置など

・D(Data):データ
Fに関する主観的・客観的情報。

・A(Action):アクション
Fに対して行ったケアや処置。また、今後の計画など。

・R(Response):レスポンス(反応)
Aで行ったケアや処置の結果や患者さんの反応。
※反応が得られるまで時間がかかる場合は、記述しなくてよい。

フォーカスチャーティングの考え方

 Fを自由に記載し、FごとにD・A・Rを順序立てて記録します。

フォーカスチャーティングの概念

記録例
フォーカスチャーティングの記録例

経時記録の書き方

経時記録の書き方の基本

 時間軸に沿って、「いつ、どこで、誰がどうなったか」を明確にして記します。以下のことを意識して書くようにします。

・起こったことを順番に書く
・詳細に書く
・客観的に観察したことを書く
・医師への報告や患者さんや家族への説明の内容も記録する
・起きた出来事に対する対応、その後の結果についても記録する

記述例
経時記録記述例

経時記録の注意点

・急変時は急変前の様子についても書く
 急変時の場合は、急変が起こる前の状態も記録しておきます。なぜなら、記録に残していないと、患者さんを観察していなかったとみなされてしまうためです。

・自分がみていない出来事は推測で書かない
 例えば転倒・転落など、実際にその場にいなくても何が起きたかを推測できることもあります。しかし、記録をする際は、「転倒した」と決めつけず、自分がみた状況をありのままに書く必要があります。

【例 誤→正】
ベッドサイドで転落しているのを発見する。
→ベッドの右側に仰臥位にて倒れているのを発見する。


【引用・参考文献】
1)大口祐矢:看護の現場ですぐに役立つ看護記録の書き方.秀和システム,2015.
2)T. ヘザー・ハードマン,編 上鶴 重美,訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第11版.医学書院,2018.

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