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【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

看護サマリーの書き方|看護記録書き方のポイント5

解説 大口祐矢

看護師 根拠がわかる看護義塾(http://kango.pw/)

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【目次】

ここでは一般的な看護記録を解説しています。実際の記録は院内の記録規定に従いましょう。

看護サマリーの意味

 看護サマリー(退院・転院時看護要約などとも)には、入院中の患者さんの状態やケア内容を記述します。いわば、入院中に行った「看護のまとめ」のようなものです。書式は施設ごとに異なります。

 看護サマリーは、退院後も治療や看護、リハビリなどが必要な場合、転院先や在宅看護サービスに提供されます。患者さんが他の施設、在宅において、継続してケアが受けられるために、大切な情報です。

 治療経過は医師の記録により他施設に提供されます(診療情報提供書)。看護師が記録する看護サマリーは、患者さんの看護問題を中心に書く必要があります。

記述するタイミング

 退院直前に書くのではなく、退院する日が決まったら、または退院する日のめどが立ったときから、書き始めておくとよいでしょう。

 最終排便の状況など、まだ不明なところがあれば空欄にしておき、わかった時点で記入するようにします。最終的に見直して、記載漏れがないようにしましょう。

誰でもわかるように書く

 同じ施設のスタッフならわかる略語や表現でも、他では通用しないこともあります。また、看護サマリーをみるスタッフが医療職者とは限りません。

 略語はできる限り使わず、誰でもわかる表現を心がけましょう。

看護サマリーの記載項目

患者さんの基本的な情報

氏名、性別、住所、生年月日、入院期間、病名、主治医、緊急連絡先など

・治療の経過
症状の出現、受傷日時、治療内容、その経過など

 治療経過は診療情報提供書がある場合、書かなくてもよい場合があります。

入院中の経過

入院日、治療内容、入院中の言動・行動、そのほか特筆すべきことなど

看護問題

立案していた看護問題、看護問題に対して実施した内容・患者さんの反応・看護目標の達成状況など

 入院中に立案した看護問題のすべてについて記しますが、現在、問題になっていることを中心に記します。もう終了した看護問題については詳細に記述する必要はありません。

 サマリーの渡し先のことを考え、どんな情報を提供すれば継続してケアが行われるかを意識して書きましょう。

 看護問題ごとに記しますが、その内容はSOAP形式ではなく、入院時から現状まで時系列に沿って記録(経時記録形式)したほうが経過をわかりやすく表現できます。

【例】
#非効果的気道浄化
 日中、臥床して過ごされていることが多く、ADLは全介助である。ときどき湿性咳嗽もあり、痰の貯留が多くみられる。自身で十分に排痰ができないため、体位ドレナージと吸引を定期的に実施していた。痰や唾液の誤嚥による肺炎も繰り返していた。口腔内が乾燥しやすく、痰のこびりつきも目立つため1日2回、マウスケアと保湿ジェルの塗布を行い、保清・保湿していた。今後も引き続き、定期的な体位ドレナージと吸引、マウスケアの介助が必要である。

*T. ヘザー・ハードマン,編 上鶴 重美,訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第11版.医学書院,2018,p.487.

日常生活活動・援助の状況

看護・処置、活動安静度、食事、排泄、清潔、更衣、服薬など

 看護・処置については、今後も継続して必要なケアやその方法、医療機器の種類などを記します。

 排泄に関しては、最終排便日、服薬では介助が必要か、服薬拒否がないかどうかも大切な情報です。

精神・神経症候の有無

暴言、暴力、認知症、高次脳機能障害、妄想、徘徊の有無など

コミュニケーション

コミュニケーションにかかわる障害や疾患の有無、気管切開、コミュニケーションをとるための手段(ジェスチャー、文字盤、筆談等)など

睡眠

睡眠の良・不良、使用薬剤など

既往歴

現病以外の過去の罹患した疾患名、罹患当時の年齢・年月など

病名は略語を使わず、正式名称で記すようにします。

感染症

感染症の有無、あれば感染症名

 感染症がある場合、入所できない施設や病院があります。

アレルギー

アレルギーの有無、あればその内容

家族関係

患者さんの家族構成、支援内容

 家族構成はわかりやすいように、図で示すとよいでしょう。その際は、患者さん本人との関係、同居している人がわかるように工夫します。

家族構成図

区分けの例:男性は□、女性は〇のマークで表す。患者さん本人は二重線のマークにする。同居者は枠で囲む。

病状説明と理解

 転院・退院時における主治医の説明、患者さん・家族の理解

 転院・退院の時点で、患者さんや家族が病気をどう受け止めているかは今後のケアを考えるうえで重要な情報です。患者さんや家族の言動などを具体的に記しましょう。


【引用・参考文献】
1)大口祐矢:看護の現場ですぐに役立つ看護記録の書き方.秀和システム,2015.
2)T. ヘザー・ハードマン編、上鶴 重美訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第11版、医学書院、2018.

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