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【連載】どの病棟でも押さえたい糖尿病の薬

SU薬(スルホニル尿素薬)|経口血糖降下薬

執筆 藤田成裕

日本赤十字社長崎原爆病院 内分泌・代謝内科部長

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 糖尿病薬には作用が異なるさまざまなタイプの経口血糖降下薬があり、治療の主体となっています。看護の現場では、他の病気の治療のために入院した糖尿病の患者さんが、どのような糖尿病薬を使っているかを把握することは大切です。薬のタイプごとに異なる作用の仕組みや副作用など、糖尿病薬が変更される際の看護に役立つ知識を整理します。


目次


主な薬

●グリメピリド(アマリール®
●グリベンクラミド(オイグルコン®、ダオニール®
●グリクラジド(グリミクロン®
●クロルプロパミド(アベマイト®
●アセトヘキサミド(ジメリン®
●グリクロピラミド(テアメリン®

作用・特徴:β細胞に作用し、強力な血糖降下効果をもつ

 膵臓のβ細胞に作用して、インスリン分泌を促す薬剤です。β細胞のSU受容体に結合しインスリン分泌を促します(図)。1日1~2回内服する場合が多く、持続的な効果があることが特徴です。

SU薬の働き

 経口血糖降下薬では最初にできた薬剤で、血糖降下効果も強力であるため、以前はよく使用されていました。ただ、食事摂取量が少なくなると低血糖を生じやすく、また、作用が持続的なため、血糖変動に対して日内の血糖の高低差を是正する効果はあまり期待できません。

 高齢者や腎機能が低下している患者さんでは低血糖が生じやすく、特に気をつける必要があります。絶食になった患者さんや食事量が不安定な患者さんでは、服用を中止します。誤って服用が継続されていないか、よく観察する必要があります。
 
 また、長時間効果が続くことによって、夜間帯に低血糖を生じることがあります。低血糖によって発汗することがあるため、起床時に寝汗をかいている患者さんには、睡眠中の観察や、場合によっては血糖測定を行う必要があるでしょう。

使用患者さん:従来の薬剤であり使用する患者さんが多い

 インスリンの自己分泌能が低下している患者さんで使用されることが多い薬剤です。1日に1~2回の服用であるため、比較的使いやすいです。近年では他の薬剤が開発されてきたため、単剤で使用される機会は少なくなりました。しかし、併用薬としては依然多用されているので、入院患者さんが使用している場合も多いです。

副作用と観察:空腹時に低血糖を起こしやすい

 人体の生理的なインスリン分泌では、空腹時に一定の低いインスリン分泌(基礎分泌)があり、食事摂取により分泌量は上昇(追加分泌)します。SU薬によるインスリンの分泌は、空腹時も、食後も同様にみられるため、空腹時に低血糖を生じやすく、逆に食後の高血糖に対して効果が出ない可能性もあります。
 
 この薬剤を使用している患者さんには、常に低血糖を生じる危険性を考慮し、本人に症状の有無を確認したり、適宜、血糖測定を行う必要があります。

病棟での注意:検査・手術時は必ず休薬する

 絶食時に服用すると低血糖を生じ、しかも遷延するリスクが高いため、検査や手術などが予定されているときは必ず中止します。また、種々の理由で食事が摂れなかったり、嘔吐した場合などは、低血糖のリスクが高まるので繰り返し血糖測定をする必要があります。少なくとも服用して24時間は低血糖のリスクに注意が必要です。
 


この記事はナース専科2017年10月号より転載しています。

【その他の薬剤】
グリニド薬(速効型インスリン分泌促進薬)
αグルコシダーゼ阻害薬
DPP-4阻害薬
ビグアナイド薬
チアゾリジン薬
SGLT2阻害薬
インスリン製剤
GLP-1受容体作動薬

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